【ホロライブ】さくらみこ×水野良樹(いきものがかり/HIROBA)の対談がエモい。6年間の活動で“自分らしさ”を見つけたみこちを表現した楽曲『SUNAO』を深堀り【3連続インタビューVol.1】
女性VTuberグループ“ホロライブ”所属のさくらみこさんの1stアルバム『flower rhapsody』。2024年9月25日にリリースされた全国流通のフルアルバムで、彼女にとって6年間の活動を経てみつけることができた“自分らしさ”と、ずっと隣りを歩いてくれた“あなたへの想い”を詰め込んだ作品です。 【記事の画像(2枚)を見る】 豪華作家陣書き下ろしの新曲含む全12曲で構成した待望のアルバムは、オリコンデイリーのアルバムランキングで1位、moraダウンロード総合チャート1位、iTunesダウンロードランキング2位など、各種音楽サイトのランキングで上位を獲得しています。 本アルバムの発売を記念して、さくらみこさんご本人と収録楽曲を手掛けた作家陣によるオンライン対談を3回に分けて実施。第1回では、『SUNAO』の作詞・作曲を担当した水野良樹氏(いきものがかり、HIROBA)との対談をお届けします。“自分らしさがわからない自分”をテーマに、6年間の活動を通して成長していく“さくらみこ”を表した本楽曲のこだわりや制作秘話を、おふたりが深掘りしていきます。 さくらみこ: ホロライブ0期生、電脳桜神社の巫女。アイドルに憧れを抱き唯一無二のトップエリート巫女アイドルになることを目指し日々奮闘中! “エリート”と自称しているが、35P(ファン愛称)のあいだでは“ポンコツ”という噂も……。 水野良樹(みずの よしき): ソングライターとしてはもちろん、“清志まれ”の筆名で小説家としても活躍しているミュージシャン。音楽グループ“いきものがかり”での活動やソロプロジェクト“HIROBA”の展開などでも有名。本アルバムでは、『SUNAO』の作詞・作曲を担当している。(文中は水野) エリートアイドル“さくらみこ”の明るさ・優しさに、思わずデレてしまう水野氏 ――まずはお互いの第一印象を教えてください。: さくらみこ :水野さんはいままで楽曲制作をお願いした方の中でも、昔からアーティストとして活躍されている方で、とにかく“すごい方”という印象がありました。 実際に打ち合わせでお話をさせていただいたときや収録でお会いしたときにやさしく接してくださりました。お土産や本も持ってきてくださって、すごい方なのにとても丁寧な方だなという印象を受けました! 水野 :いっぱい褒めてもらえた! さくらみこ :いや~本当にびっくりしました! 水野 :ありがとうございます。さくらみこさんは、声が明るいというのが第一印象でしたが、実際にお会いしても変わらず、同じ印象のままでした。お話をしていても、このように褒めてくれるので、思わずデレデレしていましたね(笑)。 さくらみこ :(笑)。 水野 :VTuberの皆さんは、コミュニケーションをとくに大事にしている印象が強いです。視聴者とのコミュニケーションですべてのエンタメが出来上がっていると感じています。 僕らのようなJ-POPの人間もコミュニケーションを大事にしていますが、「自分の作品はこうだ」、「自分はこのように考えている」といったように、自分目線のことが多くなってしまう瞬間があるんですよ。 VTuberの皆さんも自分らしくパフォーマンスをすることを大切にしていると思いますが、視聴者の方々がどのように楽しんでいるかを考えながら活動されていると感じ、とてもやさしい方々が多い印象もありますね。 おかしなことを言ったり、ふざけてみたり、ときにははしゃいでいたりもしていますが、さくらみこさんとコミュニケーションを取っていくと、つねに相手のことを考えているやさしさを感じました。まわりのスタッフの皆さんも同じ印象でしたし、とにかく相手を楽しませることを考えている人たちがホロライブには集まっていると思いましたね。 さくらみこ :ありがとうございます、とても光栄です! 水野 :早速、お互いを褒め合う会みたいになっちゃいました(笑)。 さくらみこ :水野さんのおっしゃる通りで、VTuberはファンの方々との距離がとても近いです。 ホロライブは、アイドルよりも少し近い存在だと思っています。ゲーム実況や雑談配信なども、コメントをしてくれている視聴者さんたちとのコミュニケーションがメインなので、ファンのことを考える時間は本当に多いです。 ファンとの関係性は、活動のことを考えると切っても切り離せないです。これはどのVTuberさんも同じことが言えるんじゃないかなって思っています。 ――さくらみこさんは歌枠配信などでいきものがかりさんの曲を歌われていたかと思いますが、思い入れのある曲はありますか? さくらみこ :思い入れのある楽曲を挙げるとしたら、歌枠でもよく歌っている 『ありがとう』です! この曲は、ファンに感謝の気持ちを伝えられる楽曲だと感じていますし、共感できる部分もあって、大好きな楽曲です! いきものがかりさんの楽曲は、J-POPの中でも歌枠で歌うことが多いですね。 水野 :本当にさまざまな曲を歌っていますよね! 器用すぎるだろって(笑)。まったく違うタイプの楽曲を歌ったり、ふだんの声とは違った歌いかたをされていたりと、いろいろな変化球を持っているようで、すごいなって感心します。 さくらみこ :本当ですか!? ありがとうございます! ローマ字表記の曲名『SUNAO』は、いきものがかりのデビュー曲『SAKURA』を意識して付けたタイトル ――『SUNAO』は、どういったきっかけで楽曲制作が決まったのでしょうか。制作が決まったときの印象や感想を教えてください。: さくらみこ :なぜいきものがかりの水野さんにお願いしたかと言いますと、ひとつエピソードがありまして。学生時代、友だちとカラオケに行った日があったんです。そこで、友だちがいきものがかりさんの 『SAKURA』を歌ってくれて、最初に好きになったアーティストだったんですよ。そのときからカラオケに行ったときは、いきものがかりさんの楽曲を歌うようになったんです。 そして、1st EP『heart♡connect』(2023年8月2日発売)を作ることになったときに、音楽制作のスタッフさんから依頼したい希望者の案を挙げてほしいと言われました。わがままを言ってもいいならと「いきものがかりさん……」とお願いしましたが、水野さんがお忙しいタイミングで一度は諦めたんです。 ただ、今回の1stアルバムを作るとなったときに、ダメだったらまた諦めようと思いながら、もう一回アタックをさせてもらったのが、きっかけですね! 水野 :とてもありがたい話です。2回も頼んでいただけることはあまりないんですよ。 さくらみこ :そうなんですか⁉ 水野 :スケジュールの関係で一度お断りさせていただくと、なかなか2回目のお誘いをもらえることはないですね。今回、スタッフさんから「またさくらみこさんからお話をいただきましたよ」と聞いて、とてもありがたかったですし、光栄でした。 さくらみこ :正直、ちょっとしつこいって思われちゃうかもしれないと思っていました……。 水野 :とんでもないです! さくらみこ :2回目のお誘いをするときにコンセプトを考えたら、絶対水野さんにお願いしたい内容だったので……。スタッフさんとお話してもう1回チャレンジしてみようと! 水野 :いや~、かなりのプレッシャーですよね(笑)。 さくらみこ :受けていただいて、とてもうれしかったです! ――楽曲を制作するにあたって、どのようなやり取りがありましたか? さくらみこさんから水野さんへオーダーなどもあったのでしょうか? 水野 :最初の打ち合わせのときに、さくらみこさんと音楽制作チームのスタッフさんから、「このアルバムはこういったコンセプトで、このような曲を作ってほしい」と、はっきりとしたコンセプトの企画書をいただきました。 自己肯定や自分らしさみたいなものが、動画配信を始めたころはわからなかった。でも視聴者の皆さんとコミュニケーションを取っていく中で、自分のおもしろさを褒めてもらったり、自分では気づけない魅力に気づかせてもらったり、自分らしさをみんなといっしょに作っていくようなイメージがあるとのことでした。 曲を作る側からすると、ヒントを全部もらった状態での打ち合わせだったので、とてもありがたかったです。「なんでもいいです」と言われていたら、「どこから書けばいいんだろう」となってしまうので。今回は楽曲や歌詞のイメージ、さくらみこさんが歌で届けたい世界がはっきりしていたので、とてもやりやすく、説明していただいたテーマをそのまま書きました。 それに加えて配信での楽しくおしゃべりしている雰囲気を楽曲として形にできたらと思いました。実際に最初の打ち合わせやスタジオでお話して、配信と変わらない楽しい空気で最後まで作れたのを覚えています。 さくらみこ :アルバムに収録されるほかの楽曲にもひとつひとつテーマがありますが、 『SUNAO』は“自分らしさがわからない自分”といったコンセプトがありました。 みこが素直に言葉を発したり、自分の気持ちをぶつけたりと、みんなが見つけてくれたみこの“自分らしさ”に気づいていくといったエピソードを水野さんにお話ししました。 そのあとは水野さんにお任せする形になってしまいましたが、水野さんならすばらしい楽曲を作ってくださると思っていましたし、何より水野さんに楽曲を作ってもらえること自体がものすごく価値があることだと思っています。 それとじつはコンセプトには、“素直”というワードは最初なかったんですよ。でも、水野さんの解釈で“素直”という言葉で表現していただきました。いただいた楽曲のデモ版を聴いたとき、あまりにもよすぎて、泣いたことをいまでも覚えています。 水野 :よかった、正解していた! さくらみこ :大正解でした! ――そんなコンセプトである“素直”は、曲名では“SUNAO”とローマ字表記ですね。ローマ字表記にした理由や曲名に込められた想いはありますか?: 水野 :当初は、漢字でそのまま“素直”というタイトルだったのですが、なんか普通だなって思いまして。さくらみこさんがいきものがかりのデビュー楽曲 『SAKURA』をはじめとしたさまざまな楽曲を歌ってくれて、何より好きでいてくれていたので、もしかしたら『SAKURA』がイメージと近くなるかもと勝手に思い、英語表記の『SUNAO』としました。 さくらみこ :そうだったんだ~!! いま知って、感動しました! 水野 :英語の大文字表記にしたほうがイメージが膨らみやすいかもしれないと思ったのも経緯としてありますね。 漢字の“素直”にすると、どこか寂しい感じが出てしまったり、どこか内向きな感じが少し出てしまう印象が自分の中でありました。それを英語表記にするとフラットに見える、文字のおもしろさがあるなと。 あとは、さくらみこさんの配信をいくつか見させていただいたときに、みんなで楽しんだり、はしゃいでいたりする会話があって、その時間がさくらみこさんと視聴者の皆さんとのすごく大事な時間に感じたんです。 そのため“ゆるゆるのファンタジスタ”のような肩の力が抜ける表現やワードを散りばめて、配信のときの雰囲気と少しでもリンクできればいいなと考えました。かしこまった楽曲にして、歌のメッセージをそのまま真剣に書くと少し重くなってしまいますからね。 さくらみこ :貴重なお話が聞けてうれしいです! 『SAKURA』との意味合いとか、そういった想いをたくさん考えてくださっていて、すごくうれしいです! なんか感動しちゃいました……。 水野 :ちなみに配信は、すごく叫んでいる場面を見ましたね。 さくらみこ :つねに叫んでいます(笑)。 水野 :でも、本当にさまざまなことを配信でやられていますよね? ゲーム実況で叫んだり、すごく怒っていたりしていて、よくいろいろな声色を出せるなと思っています。あとは声優さんのモノマネなのか、ふだんとは違った声色で話したりしていて、「こんな声も出せるんだ!」と驚きながら見ていました。 さくらみこ :(笑)。 活動初期の“自分らしさがわからない自分”から、みんなが見つけてくれた“自分らしさ”を表現した曲 ――楽曲制作での裏話があれば教えてください。: 水野 :打ち合わせのときに「ポップな曲をお願いしたい」とお聞きしたので、イメージにも合うだろうと思い、シンプルな曲ではなく、仕掛けがたくさんあるようなカラフルな曲にしたいなと考えました。 最初は、テーマの話やさくらみこさんが動画配信でファンの皆さんとどのようなコミュニケーションをされてきたのか、わからないことが多々あったので、雑談レベルでお聞きしました。 そこで、自分では思いもしなかった場面や自由にやればいいんだと思った瞬間など、いろいろなエピソードや経緯を教えていただいたので、歌詞を書いていくうえで、かなりヒントをもらったことを覚えています。 さくらみこ :水野さんのおっしゃる通りで、テーマやエピソードを雑談のようにお話させていただき、あとは水野さんにお任せしました。 今回のテーマである“自分らしさがわからない自分”というのは、みこがデビューしたときに運営さんから「自分らしさは大切だよ」と言われたことがあったんですよ。どこをアピールすればいいのか、どんなことをすればいいのか、作った自分になってしまっていたりと、“自分らしさ”がピンとこなくて壁にぶつかっていたんです。 それでも、ちゃんと自分を見つけていきたい、諦めたくないという強い想いがありました。水野さんには、自分らしさを見つける道のりだったり、喜怒哀楽のすべてを視聴者にぶつけている“いま”、そこに偽りのない自分を届けていることをお伝えしました。 それに加えて、いきものがかりさんは、みこが好きなアニメ『NARUTO』の楽曲も歌っているので、「アニメの主人公のようになりたい!」という気持ちがあることも話しました。 水野 :打ち合わせで、アニメ 『NARUTO』のお話もしましたね。 そのほかにも、さくらみこさんのほうから『気まぐれロマンティック』など、いくつかイメージが近い曲を挙げてくれました。先ほど話したようにカラフルにしようと思いましたし、サビをみんなで歌いたくなるような感じにしたいなと考えました。 僕らの曲で挙げるとしたら、『じょいふる』はどんどん進んでいくような楽曲。それに対して、『気まぐれロマンティック』は、サビをひとつずつ楽しむような展開をしっかりと作っています。そっちのほうがさくらみこさんたちのイメージに近いのかなと思い、メロディーをしっかりと作る方向で制作を進めました。 さくらみこ :完成した楽曲を聴いたときは、長年活躍されている方のパワーを感じました! デモ版をいただいたときも鳥肌が立ちましたし、言葉選びが本当に素敵なんです。みこのお話もさせていただいていたので、歌詞やメロディーもすごく納得しましたし、楽曲からも水野さんの人柄を感じました。 素敵な言葉選びの中で、メロディーもバラードにしすぎていない、かつ明るいポップでありながら、感動するような楽曲でした。とんでもない楽曲を作ってもらえたなと! 水野 :たしかに、この曲は全体的に明るくてポップな楽曲ですが、少し切なさも感じるメロディーにしていますね。 切なく感じる部分は、打ち合わせでお聞きした、たいへんだった時期や乗り越えようとした部分を意識しています。ただ、多少の切なさを残したメロディーにしたのですが、さくらみこさんの声で歌うとものすごく明るくなるんですよ! それがすごくて! デモだと暗い雰囲気だったのですが、レコーディングに立ち会わせていただいて、さくらみこさんが歌った瞬間に華やかになったことを覚えています。どこかそばでいっしょに遊べるような楽しさ、親しみやすさも歌声から感じましたね。「華やかになるな~」って楽しんで聴いていました。 あと、デモを渡したときもすごく褒めてくれましたが、デモは自分の声で作ることもあるので、とても恥ずかしくて恐縮でした(笑)。 さくらみこ :素敵な楽曲なので、みこに歌えるのか、といったプレッシャーもあって……。みこはレコーディングの日はかなり緊張していました(笑)。 水野 :緊張していましたね! さくらみこ :アルバム楽曲のレコーディングの中でいちばん緊張していたのが 『SUNAO』で、レコーディングの日は緊張していて様子がおかしくなっていました(笑)。 『SUNAO』はJ-POP調ではあるんですけど、オリジナル楽曲として歌うときにテクニックが必要なことにボイストレーニング中に気づきました。いままで歌ってきた楽曲の中でも自分も向上しないといけないなと。 レコーディングの日は緊張していましたが、直接お会いして、水野さんからのディレクションで「よかったです!」と言っていただけて、自然と緊張がほぐれました。あのときはありがとうございました! 水野 :ワンテイクを終えるたびに、ブースから深呼吸する声が聞こえてきていたので、すごく緊張しているんだなって思っていました。僕もなんとか盛り上げないとって(笑)。 さくらみこ :そりゃ、緊張しますよ!(笑) 水野 :そのくらい真剣さが伝わってくるレコーディングでしたね。 さくらみこ :水野さんにも来ていただけると思っていなかったですし、直接見ていただける機会は貴重な経験なので、本当に緊張しました。 水野 :あとは、これまでにも経験してきていることですが、誰もが持っていない声を持っている人は楽曲を想像以上のものにしてくれると感じています。多くのVTuberの方が、さまざまなパフォーマンスをされていますが、さくらみこさんが多くの方々に支持されて、楽しい存在として愛されている理由を感じましたね。 打ち合わせで、いろいろなお話を聞くのも大切ですが、やっぱりその人の歌や歌声を聴いたほうが早いんですよね。今回ですと、さくらみこさんの楽しさやおもしろさ、ほっとけなくなる気持ちを知って、徐々に完成に向かう曲を聴いていくうちにさくらみこさんしか持っていない愛らしさや楽しさがあるなと、あらためて思いました。 さくらみこ :ありがとうございます! 1stソロライブのタイトル『flower fantasista!』は、『SUNAO』の歌詞から生み出された ――さくらみこさんは、2024年10月26日にソロライブを控えています。もしかしたら『SUNAO』を披露することもあるかもしれませんが、どのようなパフォーマンスをしたいですか?: さくらみこ :披露するかわからないですけどねー! 水野 :わからないですよね~。 さくらみこ :いままでの楽曲では、いっぱい踊ったりして、わちゃわちゃしているような感じがありましたが、 『SUNAO』は“素直”に歌を聴いてもらいたいですね。 歌詞がストレートなので、いままで歌ってきた楽曲の中でも、みこの想いをいちばん素直な言葉でぶつけています。ふだんの配信では恥ずかしくて伝えられない言葉も『SUNAO』という楽曲を借りて、みこが思っている素直な気持ちを書いてもらった歌詞、みこが感動した歌詞をみんなに絶対に届けたいなって思っています。 そのためパフォーマンスやダンスに集中するよりも、歌詞の言葉を会場の人たちにどれだけまっすぐ伝えられるかをがんばりたいです。あーいやいや、披露するかはわかりませんけどね! それと裏話になりますが、じつはライブタイトルはずっと決まっていなかったんですよ。最初は“flower~”にしようとか、アルバムのタイトルや楽曲に合わせようかと考えていました。ですが、『SUNAO』の歌詞のなかに「ファンタジスタ」というワードがあって、「これだ!」って決めました! すごくピッタリだなって思いますし、ライブのタイトルも明るいものにできました。歌う楽曲も多種多様で、いろいろなメロディーがあってまとめきれない中、「ファンタジスタ」という言葉がピッタリだったので、この言葉を拾わせていただきました(笑)。 水野 :とても光栄です! 歌詞で言うと、 『SUNAO』の中で「デカい心 そばにいたね」、「ほんとマジで 大事だから」などのフレーズがあるんですけど、歌詞に書きたくても崩した表現って中々書けないんですよ。でも、さくらみこさんの声だと書いても大丈夫だと感じて、この部分は逆に書かせてもらえた部分ですね。 これまで「歌詞を書いていただきました」とおっしゃってくださっていますが、こちら側からすると逆に書かせてもらえましたという感じなんですよ。「ファンタジスタ」という言葉もですが、大事な言葉が書きやすくて楽しかったです。 さくらみこ :綺麗といいますか、楽曲の歌詞としてはすごくいいことを歌ったりしていますが、「デカい心 そばにいたね」、「ほんとマジで 大事だから」といったフレーズは少し崩していているので、私もずっと気になっていました。 配信上で見えているみこは、歌詞のように少し崩れているので、そういったところをうまく汲み取ってくれているんだなって感じました。でも、歌詞はみこがずっと思っていることが書かれているので、絶対にこのままがいいなと思いましたし、私にすごく合っているようにも感じています。 水野 :ほんとですか? よかったです! さくらみこ :自分のファン(35P)はもちろん、ほかの人にもまっすぐ伝わる歌詞だなとも思っています。 水野 :歌詞を作るうえで、さくらみこさんと応援してきた視聴者のみなさんの関係性を重ね合わせることができる歌詞にしたいなと思っていました。ですが、視聴者以外の方も聴く機会はあるかと思うので、内輪ノリみたいにならないように気を付けましたね。 打ち合わせでいただいたテーマ、先ほど話した想いやエピソード、葛藤などは、さくらみこさんだけではなく、さまざまな人が思っていたり、持っていたりすることだと思うので、どんな人がこの楽曲を聴いても、自分と何かしらで重ね合わせられるような歌詞にしましたね。みこの ――最後に『SUNAO』を聴いている方へのメッセージや、この楽曲への想いなどをお願いします。 さくらみこ :まずは、この 『SUNAO』には「気づかせてくれたのは キミだったんだ」という歌詞があって、この言葉はファンのみなさんに素直に伝わってくれたらなと思います。 ほかにも、「がんばってるのは わたしだけじゃないんだから」という好きなフレーズが最後のほうにあります。これは、自分らしさに囚われる人も素直なところをどんどん出してほしい、これはみこがみんなから教えてもらったことです。 みんなも、そのままの自分でいいんだよ。そんな想いを伝えたいですし、そんな気持ちに気づいてもらえるきっかけの曲になってほしいと思い、歌っています。 そして、「春がくるたび さくらが咲いて キミがわたしをみつけてくれるんだ 照れるけれど 愛なんだね」と、少し切なく感じつつも、壮大なメロディーの部分があります。これはVTuberとしても、いつまで活躍し続けられるかわからない。でも、何かのきっかけで桜を見たときに、みこのことをふと思い出してもらえるような、そんなすごい人になりたいなっていう気持ちが込められています。 さまざまな想いも含めて、この『SUNAO』という楽曲は、私にとって素敵な楽曲になりましたので、今後もずっと歌い続けたいですし、大切にしていきたいです! たくさん聴いてください! 水野 :いや~、このメッセージに足す言葉はないですよね! すごい! 歌詞を書いた人間としては、とてもうれしいです。 歌ってくれている人が、自身の本当の気持ちと近いと思ってくれているものが作れたらなとつねに思っていますが、なかなか簡単なことではないんです。 いつも難しくて、間違えてしまうときもあると思いますし、自分の力不足でできなかったこともあると思います。でも、いまは曲を書いたときよりも、はるかに大きく、VTuberとしてのこれまでの気持ちなどを込めつつ、ひとつひとつの言葉を歌ってくださっていると思うので、それよりも大きなメッセージはないと感じています。 これから、さくらみこさんが歌って、その歌をリスナーの皆さんが聴いて楽しんでくれる。そんないちばん大事な時間が始まると思いますので、皆さんにとって幸せな時間になってくれたら、うれしいです。 さくらみこ :ありがとうございます! 水野 :エモインタビューになっちゃいましたね(笑)。ライブもがんばってください! さくらみこ :がんばります! ぜひ見に来てください! さくらみこ対談記事はこちら