「鼻息で訴えていますね」飼育員さんも思わず笑ってしまった、動物園のパンダがこれでもかと「圧をかける」瞬間…!
お薬キライ
薬を巡っての攻防が繰り広げられたのは、連載39回目(https://gendai.media/articles/-/86099)のこと。心臓疾患の症状が出てから、タンタンは毎日、薬を飲んでいます。この頃はまだ、サトウキビジュースが発見されておらず、薬を飲んでもらうために、飼育員さんたちは涙ぐましい努力をされていました。 新しい薬を与える場合には、どの位の苦みなのか、実際に舐めて確かめる念の入れよう。リンゴやブドウなどにステンレス製の棒で穴を開け、そこに薬を差し込んだり、くだものと薬をミキサーにかけて凍らせてみたりと工夫したのですが、3日目くらいには薬に気づいて食べてくれなくなったそうです。 そんなタンタンにもアバウトな部分が。リンゴの種は嫌がりますが、なぜかブドウの種は気にしないのだそう。ブドウは種類も多く、季節を問わず手に入るため重宝しているそうです。ちなみに、取材時に与えていたブドウはデラウェアでした。 夏は寝ている時間が多くなるといいますが、ちゃんと起きられているのでしょうか。「朝一番、奥へ入るときにタンタンにあいさつをします。掃除などの作業の物音でも、目が覚めるみたいですね。もしくは、朝ごはんや薬の用意をしている間に起きてきますよ」(梅元さん)。規則正しい生活をされているのですね、お嬢様。 さて、取材日の様子はというと、パンダ館観覧開始の10分ほど前、ウロウロと動きながら最後は寝台へ。わずか10分ほどの間に場所を移動すること2回、ポーズを変えること4回で、やっと落ち着いたようです。 「こうして、自分が一番気持ちいい場所を探してるんです」と、梅元さん。夜の様子をビデオで確認すると、足を組み変えたり、ゴロゴロと寝返りをうったり、頻繁に動いているのだそう。最高の寝心地を求めて。寝床にも一切妥協はしないお嬢様なのでした。 NEXT:次回は2024年7月17日(水)に、お届け予定です! ※今回のおまけ写真は、2022年1月に撮影したものです。 <動物園の基本情報> 神戸市立王子動物園 〒657-0838 兵庫県神戸市灘区王子町3-1 TEL : 078-861-5624(代表) 公式ホームページ:https://www.kobe-ojizoo.jp 公式Twitter(@kobeojizoo):https://twitter.com/kobeojizoo
二木 繁美(パンダライター&イラストレーター)