新たな国税が徴収開始! 「森林環境税」とは?
令和6年6月(令和6年度)から、新たに「森林環境税」という国税の徴収が開始されています。 新しい税金と聞くと、「また負担増か」と思ってしまいますが、ほとんどの納税義務者の方は、実質的にこれまでと同じ負担額となっています。この記事では、森林環境税の仕組みやその概要などについて確認したいと思います。
森林環境税と森林環境譲渡税
これらの税の目的は、パリ協定の枠組みにおけるわが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図ることであり、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設されたものです。 つまり、森林整備等に必要となる費用を、国民一人ひとりが広く等しく負担を分担することで、わが国の森林環境を支える仕組みとなっています。 森林環境税は、令和6年6月(令和6年度)から国内に住所を有する個人に対して課税される国税として、新たに徴収が開始されています。賦課徴収については、国税ではありますが、個人住民税均等割と併せて1人年額1000円を市区町村が徴収します。 森林環境税の税収は国に集められ、その後客観的な譲与基準(私有林人工林面積、林業就業者数、人口)に基づき按分され、全国の都道府県・市区町村に譲与されます。 これが「森林環境譲与税」です。なお、森林環境譲与税の譲与は、既に令和元年度から開始されていました。
令和6年6月以降の住民税均等割負担額
令和5年度までの標準的な住民税均等割は、都道府県民税が1500円/年、市区町村民税が3500円/年の、合計5000円/年となっていました。 この中には、東日本大震災の復興や、緊急に地方公共団体が実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保することを目的として、平成26年度から令和5年度までの10年間、1000円/年(都道府県民税と市区町村税がそれぞれ500円/年)が上乗せされていました。 この上乗せ分と同額の1000円/年が、令和6年度より新たに「森林環境税」として置き換わる形になっているため、納税義務者の表面的な負担額は5000円/年と、昨年度までと変わらないことになります。