【ライブレポート】『LDH LIVE-EXPO 2024 ーEXILE TRIBE BEST HITS-』初日公演オフィシャルレポート
■EXILE TRIBE史上最多12組84名が大阪・ヤンマースタジアム長居に大集結!所属グループも先輩後輩も問わず入り乱れる、予測不能のステージが展開 【画像】本編ラストで万感の思いを語った、EXILE TAKAHIRO 10月26日・27日、EXILE TRIBEが総出演するライブイベント『LDH LIVE-EXPO 2024ーEXILE TRIBE BEST HITS-』(以下、『LIVE EXPO』)が大阪・ヤンマースタジアム長居で開催され、会場、配信視聴含め11万5,000人を総動員した。 出演は、EXILE TAKAHIRO、EXILE THE SECOND、三代目 J SOUL BROTHERS、GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZ、PSYCHIC FEVER、LIL LEAGUE、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ、WOLF HOWL HARMONY。 本レポートでは初日10月26日公演の様子を振り返る。 EXILE TRIBEの総勢12グループが集結し、メンバープロデュースの下でヒット曲が続々披露されるというあらたなコンセプトライブとして作り上げられた本公演。EXILE TAKAHIROとEXILE THE SECONDの5人からNEO EXILE世代のフレッシュな面々までが揃い、3時間半に及ぶ豪華なライブでEXILE TRIBEグループの歴史を振り返った。 当日の天候が一時心配されたものの、開演時には雲間に青空も見られ、無事過ごしやすい気候のなか迎えられたスタジアムの野外ステージ。この大イベントのオープニングを担ったのは、サプライズでの登場となったゲスト、MIYAVI。痛快なギタープレイによる空まで突き抜けるような轟音のあと、花火の爆発とともにまずTHE RAMPAGEのメンバーがステージに登場。歌い始めたのは、本公演に向けて書き下ろされた「HIGHER GROUND」以来8年ぶりの“EXILE TRIBE”名義での新曲「AKANEGUMO」だ。各グループを象徴する引用満載のリリックに合わせて、次々とステージへと出現するEXILE TRIBEメンバーによりマイクが繋がれていくと、そのたびに割れるような歓声がスタジアムを覆い尽くす。その興奮冷めやらぬままに再度大きな花火が上がると、今度は世代ごとに歌い継がれるEXILE TRIBEのアンセム「24WORLD」を、ステージを埋め尽くす総勢84人のオールメンバーによりフルコーラスで披露。開演から一気に会場のボルテージを引き上げ、5万人の心をひとつにするという、実にLDHらしい幕開けだ。 さらにここからはノンストップで、さっそく今回の目玉であるヒットソングメドレーへと突入。真っ先に聴こえてきたのは、あの「R.Y.U.S.E.I.」のイントロだ。本家の三代目 J SOUL BROTHERS(以下、三代目JSB)がワンコーラス歌い上げたあと、ステージにはTHE RAMPAGEメンバーが再登場し、3ボーカルが歌い繋ぐ。間奏には2グループ全員横並びでのランニングマンのパフォーマンスもあり、他では決して見られない特別編成に会場は大興奮。そこから立て続けにGENERATIONS「AGEHA」が始まり、FANTASTICSメンバーとLIL LEAGUEのパフォーマーたちがコラボし、全員でステージを駆け回りながらのパフォーマンスで盛り上げる。続いて2024年のヒット曲の筆頭と言えるPSYCHIC FEVER「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」ではEXILE SHOKICHI、三代目JSBからELLYと今市隆二、BALLISTIK BOYZから奥田力也がマイクを持ち、その他、岩田剛典と佐野玲於、長谷川慎らもパフォーマンスに参加。OMI(「O」はストローク付きが正式表記)とEXILE NESMITHの力強い歌唱が加わったTHE RAMPAGE「100degrees」では、間奏でTHE JET BOY BANGERZのパフォーマーがダンスショーケースを披露。FANTASTICS「Flying Fish」はBALLISTIK BOYZとKID PHENOMENONメンバーによって爽やかに歌われた。所属グループも先輩後輩も問わず入り乱れる、予測不能のステージが続く。響き続ける歓声のなかでEXILEメンバーがステージに舞い戻り、Jr.EXILEメンバー達とともに「VICTORY」を歌唱。さながら14年前にスタジアムで行われた『EXILE LIVE TOUR 2010 “FANTASY” 』のように、力強い大合唱が会場をこだました。 そして外が少しずつ暮れていく時間帯になり、照明がほの暗く照らすステージにはBALLISTIK BOYZが再登場。披露されたのは彼らの代表的なR&Bナンバー「Animal」。本家ボーカルのあとにはSHOKICHI、川村壱馬(THE RAMPAGE)、八木勇征(FANTASTICS)らと数多くのパフォーマーがステージに上がり、完璧な肉体美も披露してくれた。続いて暗転ののち現れた数原龍友とTAKAHIROのふたりが歌い始めたのは「Love You More」。ふたりに続いて片寄涼太と吉野北人(THE RAMPAGE)も加わり、GENERATIONSの代表的バラードを優しく歌い上げた。さらに暗転のあと、MIYAVIの奏でるスパニッシュなギター演奏とEXILEパフォーマーのEXILE AKIRA、橘ケンチ、EXILE TETSUYAの情熱的なダンスから、EXILEの大ヒット曲「Ti Amo」へ。ギターを携えたNESMITHとピアノを奏でる今市とともにRIKU(THE RAMPAGE)、中島颯太(FANTASTICS)、小波津志(PSYCHIC FEVER)らボーカリストの面々が、しっとりと熱のこもった歌唱を聴かせた。続いて三代目JSBのデビュー曲「Best Friend’s Girl」では、かつて『VOCAL BATTLE AUDITION 2』の課題曲として今市、OMIとともにこの楽曲を歌っていたGENERATIONSの数原と片寄とのコラボも。どれもこれも、確実にこの『LIVE EXPO』でしか観られない貴重なステージばかりだ。めまぐるしい光景の数々を前にしたスタジアムの客席も、必死で食らいつくように歓声で応え続けていた。 気づけば辺りはすっかり暗くなり照明が煌々と光り輝くなか、ライブはNEO EXILEの面々によるコラボレーションパートへ。まずはLIL LEAGUEによる最新のファンキーチューン「Youth Spark」から始まり、KID PHENOMENONの「存在証明」が爽やかな疾走感を届け、WOLF HOWL HARMONYが「Frozen Butterfly」をグルーヴィーに聴かせたあと、最後はTHE JET BOY BANGERZが「Jettin’」を不敵かつパワフルに披露。ダンスブレイクではAKIRAが加わり歓声を攫っていく場面も。最後にはコール&レスポンスでスタジアム全体を盛り上げ、新世代のグループとしての存在感を見事に見せつけていた。 それから今度は一気に時代を遡り、今この場所へと繋がる原点とも言える初期EXILEの名曲メドレーへ。まずは言わずと知れた代表曲「Choo Choo TRAIN」。またあらたな未来を作るEXPGのダンサーたちとともに幅広い世代のメンバーが集って、ひとつになるという、EXILE TRIBEの歴史を象徴するような景色が広がっていた。次いで「Together」では片寄、吉野、八木がそろって登場したあと、ソロとしても活躍する岩田がボーカルとして加わり名曲を歌い上げる。こんな光景をいったい誰が想像できたことだろう、と思わず感慨をおぼえるようなひと幕であった。 そしてTAKAHIROとBALLISTIK BOYZの日高竜太(「高」は、はしごだかが正式表記)と加納嘉将が歌う「Carry On」に続いて、今度は“J Soul Brothers”の継承という、もうひとつの重要な歴史が辿られる。かつての二代目JSBと三代目JSBが一同に会して歌われたのは、2000年リリースの「Fly Away」。去り際には「二代目、三代目J SOUL BROTHERSでした!」とSHOKICHIが叫んだ。当時を知るファンからすれば、この時間は感涙必至であっただろう。さらに次の「Someday」ではまたも心憎い演出として、リリース当時の企画だった“こどもVer.”MVにキッズダンサーとして出演していた岩谷、浦川、藤原、深堀、砂田らが登場し、EXILEメンバーおよびFANTASTICSパフォーマーとともにステージへ上がる。まだ幼い当時の彼らの映像に合わせて“今”の彼らが活き活きとパフォーマンスを披露する姿がモニターに映されると、会場全体が温かな歓声に包まれた。 この“懐かし映像コラボ”はその後も続き、まずはGENERATIONSの小森隼がナインティナイン岡村隆史とコラボレーションした『オカザイル』の映像とともに登場し会場を盛り上げ、TAKAHIROとJr.EXILEメンバーたちで「WON’T BE LONG」を披露。それぞれEXILEに憧れるキッズ時代の姿が映し出されるという心温まる演出のなかには、改めて彼らの歴史の厚みが垣間見えた。続くキラーチューン「Ki・mi・ni・mu・chu」ではメンバーたちが客席に降りてコミュニケーションを取るファンサービスもあり、どこもかしこも笑顔に溢れるパフォーマンスとなった。 そこから暗転のあと、モニターに夕暮れの街並みが映し出されると、俳優活動でも知られる佐藤大樹、木村慧人、藤原樹、岩田らが現れ、憂いを帯びた表情の演技で観客を魅了。花火が打ち上がる音ともに八木、宇原雄飛の歌い出しから始まったのは三代目JSBの名曲「花火」。ここからはヒットバラードのメドレーとなる。GENERATIONSによる「空」ではSHOKICHIのピアノと小林直己のダンス、またDEEP SQUADメンバーを含むWOLF HOWL HARMONYによる美麗なコーラスも加わり、壮大な世界観が表現された。続くTHE RAMPAGE「MY PRAYER」では、3ボーカルの歌唱に続いて過去『iCON Z』オーディションでこの曲を歌唱したLIL LEAGUE岩城星那と中村竜大のコンビが登場、ファンを大いに沸かせる。そこから一度静まったステージには切ないピアノの音色が鳴り響き、歌い始めたTAKAHIROとOMI、川村の3人が立ち並ぶ姿が照らされた瞬間、会場からはどよめきの声が上がった。歌われたのはEXILEの名曲「運命のヒト」。兄弟のような深い関係性で知られる3人による象徴的なコラボレーションに、ファン達は固唾をのんで見守ったあと、感嘆たる歓声と拍手を送った。 そしてライブはいよいよ後半に差し掛かり、いったん切り替えと言わんばかりにTRIBEの各メンバーがノリノリでフザけるコント映像が流され、一気に和やかな空気に。しかしそこからはLDHの大きな特色のひとつ、今回は総勢65人がぶつかり合う白熱のパフォーマーバトルへと移行する。特別ゲストとして登場したSWAYがDOBERMAN INFINITY仕込みの煽りで客席を沸かせたあと、EXILE TRIBEのパフォーマーたちが次々とバチバチの空気感のなかで登場。EXILE TRIBEの楽曲たちが流れるなか、全員主役級の精鋭たちがパフォーマンススキルと表現力を遺憾なく発揮。まさに息つく暇もない、豪華絢爛のダンスショーが繰り広げられた。 そこからイベントはとうとうクライマックスへ。ステージから火花が上がり、イントロが鳴った時点から大歓声で迎えられたのは、久々の披露となった『HiGH&LOW』シリーズのテーマ曲「HIGHER GROUND」。そこから三代目JSB「O.R.I.O.N.」、THE RAMPAGE「16BOOSTERZ」、BALLISTIK BOYZ「PASION」、PSYCHIC FEVER「BAKU BAKU」やFANTASTICS「OVER DRIVE」と、TRIBEを隆盛へと導いた熱いダンスミュージックが続けざまに畳み掛けられ、客席の盛り上がりは最高潮に。GENERATIONSの名曲「Evergreen 2.0ver」では、ダンスパートでかつてのサポートメンバーたちも加わって円陣を作るという感動的なひと幕もあった。締めには三代目JSBの「Rat-tat-tat」とEXILE THE SECOND「Going Crazy」という、誰もが踊らずにいられないパーティチューンが連続。オーディエンスの熱狂をひと時も絶やさないまま、ここまで一気に駆け抜けた。 ラスト一曲を控えたMCでは、TAKAHIROが「この大変な時代にこのスタジアムという規模で、これだけ多くの皆さんにお会いできたことに心から感謝を伝えたいと思います。どうやったら皆さんに喜んでいただけるのか、メンバーと切磋琢磨しながらここまでやって来ました。今日、皆さんの笑顔と声援でようやくこのライブが完成した気がします。本当にありがとう!」と、万感の思いを語った。 TAKAHIROが「いったん終わります!」と一同を和ませてから始まったラストの一曲は、未来への希望を込めたアンセム「Rising Sun」。NEO EXILEを含む総勢84人のEXILE TRIBEによる力強く華やかなパフォーマンスで締め括った。 が、宴はまだまだ終わらない。年末イベントの4日間開催やGENERATIONSの新プロジェクト、川村壱馬のソロデビュー、2025年のTHE RAMPAGEライブツアー、EXILEのライブツアーと、5個の特大の告知が続いたあと、アンコールを受けて始まったのはEXILE TRIBEの伝統と言える“24karats”シリーズの熱いメドレーだ。2024年、あらたにTHE RAMPAGEが正式継承しリリースした「24karats GOLD GENESIS」から始まり、Jr.EXILEによる「24karats -type Jr.EX-」、そして各組全員がステージに揃い、三代目JSBとGENERATIONSが躍動する「24karats STAY GOLD」からEXILEのボーカル3人が届ける「24karats TRIBE OF GOLD」まで、お馴染みの火炎放出とともに全身全霊のパフォーマンスを届けた。 この『LIVE EXPO』の開催について、直前の囲み取材にてEXILE NAOTOは「これまでの歴史と様々なヒット曲、そしてライブに特化したアーティストとして、パフォーマンスに賭ける思い。このライブで表現するべきLDHらしさについて考えたとき、それらを軸にするべきと考えた」と語った。またメンバープロデュースで作り上げた内容について、OMIは「ボーイズグループ戦国時代と言われるこの時代、LDHとしての強みを考えてこれまで作ってきた楽曲を並べてみたとき、その強さが再認識できた気がした。それを皆さんの前でライブとして披露することで、この時代のアーティストとしての志をひとつの形として提示できると考えています」と述べた。 そして2010年のEXILEのツアー『EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY』から14年ぶりのスタジアムライブとなった本公演について「我々の夢の循環というか、夢に挑戦して叶えてきたメンバーたちが今日ここに出演することで、さらに次の世代であるEXPGの生徒たちがまた10年後や15年後またここに戻ってこられるような希望、未来をイメージできるライブを作れたことが感慨深いです」と語った。 この日は彼らの言葉どおり、彼らEXILE TRIBEの歴史とともにすさまじいライブ力と演出力と熱量という最大の特長を、このスタジアムの舞台で知らしめる形となった。 「皆さんの笑顔、本当に最高でした。ありがとう!」TAKAHIROのMCから、各グループ代表によるMCで所感が述べられた。OMIは「皆さんの笑顔がステージから見えて、心からこのEXPOを開催してよかったと思えました。ありがとうございました!」、片寄が「皆さんと最高の思い出を作ることができました、本当にありがとうございました!」、川村は「こんな大きなステージに立たせていただけたことで、このLDHの先輩方も後輩も、ファンの皆さんのことも、改めて大好きになったライブでした。ありがとうございました」とそれぞれ感謝を告げると、SHOKICHIから川村へ「ソロデビューおめでとう!」と一声。中島は「LDHって最高だなと思いました。音楽を通じた人と人との繋がりを感じました。これからもLDH魂をもって、FANTASTICSの色で頑張っていきたいと思います。今後も応援よろしくお願いします!」と今後の意気込みが、砂田からは「LDHらしい“仲間”感が感じられる時間でした。ここに居られることが本当に幸せです。本日は本当にありがとうございました!」と感謝が述べられ、小波津は「スタジアムでパフォーマンスすることがひとつの夢でした。皆さんと見たこの景色を、またこれから実現できるように頑張っていきたいと思います」と展望を語った。そしてNEO EXILEからは4グループを代表して岩城が「デビューして間もない僕たちがこのスタジアムに立てたことに感謝しています。皆さん、愛と夢と幸せを本当にありがとうございました!」とまとめた。 SHOKICHIの「仲間ですね…仲間、最高ですね!」という感慨のあと、最後は改めてTAKAHIROが「この公演を作ることができて、このLDH LIVE EXPOのあらたな可能性を感じました。また必ずお見せしたいと思います、そのときは遊びに来てくれますか?」と問いかけると、すぐさま会場全体から大歓声が鳴り響いた。 「明るい未来を夢見て、強く生きていきましょう。今日は本当にありがとうございました」そんなTAKAHIROのひと言のあと、壮大な一日の締め括りは2006年にEXILES名義で歌われた懐かしの一曲「Love, Dream & Happiness」。LDHのテーマを歌う温かく優しいポップナンバーが夜空に響き渡り、スタジアム一帯が柔らかな光と笑顔に包まれたフィナーレだった。 四半世紀にも及ぶEXILE TRIBEの歴史を振り返りながら、今このときにしか見られないお宝コラボとともに怒濤のヒットチューンが届けられた約3時間半。過去のTRIBEメンバーたちのように親子二世代で今この会場に足を運び、大きな夢を抱くことになった少年少女もいるかもしれない。ここからまた彼らのあらたな一ページが開かれる。その希望と喜びに満ち溢れた一夜となった。
THE FIRST TIMES編集部