IT企業はなぜスポーツ界に進出するのか? FC東京のケースから見えるもの
「IT企業とは何を作っているのか、ということをよくわからない方も多いのではないかと思います。形のないものを取り扱っているところがある点で、信用という意味でも東京のど真ん中にそういうものをFC東京さんと一緒にできることは、僕たちにとってものすごくプラスになると考えています。 なかなか難易度が高いというか、お金もものすごくかかるでしょうし、割がいいのかと言われれば難しいところもあるでしょう。もしかすると不動産があることはメイン(の事業)にならないかもしれませんが、人の記憶に残るものを作ることも非常に重要だと思っていますので」 現状では複数の民間事業者が、サッカー専用スタジアムを2020年の東京五輪後に着工する計画を、東京都に提案している段階とされる。収容人員は3万人から4万人のアリーナ型で、試合日以外も稼働できるように、商業施設や飲食施設を併設することも検討されているという。 300億円から400億円と試算される建設資金の調達方法や、東京都および渋谷区との協議を含めて、構想を具現化していくうえで乗り越えるべきハードルはまだまだ多い。 それでも、木村取締役を介して不退転の決意を共有できるミクシィの存在は鎖骨スポンサーだけにとどまらず、FC東京と車の両輪をなす強力なパートナーとなるはずだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)