ホンダの自信作だった!? いいトコ取りの「コムスターホイール」ってナニ?
進化するコムスター
コムスターホイールは年を追うごとに進化し、バリエーションも拡大して行きます。市販車用のコムスターホイールは、登場時はスポークプレート部分が鉄製でしたが、1979年発売の「CB750F」ではスポーク部もアルミ製になり、より軽量な総アルミ製コムスターになりました(以降も車種や排気量によって鉄製スポークプレートの場合もアリ)。
次に登場したのが、通称「裏コムスター」です。一見すると従来のコムスターホイールのスポークプレートを裏返しにしたようなデザインですが、もちろん裏返しにしたワケではなく独自の形状で、端面はアルミの切削で側面はブラックに仕上げて高級感を演出しました。アメリカンスタイルの「CB750カスタム エクスクルーシブ」(1980年)が装備し、人気漫画『バリバリ伝説』の主人公が駆る1981年型の「CB750F」の採用で人気を博しました。 また、400ccクラスの「スーパーホークIII」(1980年)はゴールド仕上げの裏コムスターを履いていました。 そして1981年にデザインを一新した「ブーメランコムスター」が登場。このホイールを装備したのは、現在も高い人気を誇る「CBX400F」で、ホンダ独自のインボードディスクブレーキと合わせ、オリジナリティに溢れていました。 その後も「VT250F」(1982年)や「VF400F」(1982年)などの人気ロードスポーツがブーメランコムスターを履き、「CB750F」も1982年モデルでブーメランコムスターに変更されました。
GPマシンの名が付くコムスター
それではレースの世界でコムスターホイールはどうなったのでしょうか? ホンダはロードレース世界選手権への参戦を1969年から休止していましたが、1979年に復帰を宣言。そして1980年からトップカテゴリーのGP500クラスに、敢えて4ストロークのV型4気筒エンジンを搭載する「NR500」で参戦を始めました。