「親友の結婚式で歌ったら新郎側はドーンと引いちゃって」 平松愛理が語る「部屋とYシャツと私」誕生秘話
海外で人気の「素敵なルネッサンス」、タイトルは考えに考え抜き決定
続いてSpotify第2位は、93年発売のシングル「Single is Best!?」。1か月後にリリースされたベスト盤「Single is Best」にも収録されているが、前者が累計売上30万枚以上、後者も85万枚以上と、ともに大きなヒットとなった。 「これは、プロポーズされた瞬間に思わず躊躇していたら、それを心の迷いだと勘違いされてフラれた女性の話ですね」 さらに、Spotify第3位は、90年末リリースの5thシングル「素敵なルネッサンス」。当時、バラエティ番組「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」(フジテレビ系)のテーマ曲に採用され、シングルはオリコン最高13位で、約4か月間もTOP100入り。収録されたアルバム「MY DEAR」のほうは最高21位ながらも、8か月にわたりTOP100入りするほどの人気で、平松にとってシングル、アルバムともに初のチャートイン作となった。 しかも本作、実は海外リスナーが4割近くもおり、平松愛理の上位10曲の中で、その比率がもっとも高い。つまり、平成の当時も令和の現在も、予想以上に広がりのあるポップスなのだ。 「この曲が海外で人気なんですか!? うれしいです! 以前、アジア圏の女性シンガーの方がカバーしてくださったのですが、もしかすると、リズムの組み方がラテンっぽいから海外で聴かれているのかもしれませんね。 この曲は、ウッチャンナンチャンさんの番組で2度目となるタイアップでした。そこで、スタッフの方から、“『再会』をテーマに書いてほしい”と言われ、こういう歌詞になったんです。でも、『ルネッサンス』という言葉は、学生時代の授業くらいでしか聞いたことがなかったので、勇気がいりました。頭の中で、“いい意味での心境の変化は、どう表したらいいだろう”って、いくつも候補を考え、絞りに絞って、“この言葉しかない!”って決めたんです。それが受け入れられたので、ホッとしました」 ちなみに、お笑いコンビ・髭男爵の決め台詞に「ルネッサ~ンス!」があるが、彼らがブレイクしたのは05年ごろで、本作よりもずっと後のこと。平松がだいぶ先駆けだったのだ。1曲ごとに、歌詞やメロディー、アレンジなどへのさまざまなアイデアが出てくるという彼女に対して、まさに“ポップ・マエストロ”という印象を抱いた。インタビュー後編では、5位以降の人気曲や、隠れ名曲について触れていきたい。 【平松愛理、「平成」でチャート圏外の作品が「令和」で再評価 阿久悠さんとの楽曲は「最初はサンバだったんです」】へつづく