“ホワイト案件”のはずが…大学生・佐円昌紀容疑者(23)「仕事が空き巣に変わった」京都から上京し犯行に【三鷹強盗未遂】
「犯行直前に、仕事が空き巣に変わった」 警察に対してそう供述したのは、都内の交番に出頭してきた京都の大学4年生・佐円昌紀容疑者(23)です。 【画像】送検される佐円昌紀容疑者(23) 佐円容疑者は、10月30日に東京・三鷹市の住宅に侵入。70代男性の首を絞めて強盗しようとした疑いがもたれています。 事件前、住んでいる京都市からわざわざ上京し、犯行に及んだという佐円容疑者。 供述から見えてきたのは、普通の若者が、闇バイトに応募して犯罪から逃げられなくなる経緯でした。
“何かを運ぶ”仕事のはずが…「ホワイト案件」の危険
金に困っていたという佐円容疑者は、SNSで「数万円の報酬がもらえる」という仕事を見つけ、通信アプリでの指示に誘導されるまま、京都から上京したといいます。 「応募をした時は何かを運ぶ仕事と思っていた」 「現場に行ったら、案件が空き巣になった」 しかし、現場近くの公園に集合したところ、突然、仕事の内容が“空き巣”に…。さらにその場で「逃げたら殺すと脅された」といいます。 「金に困っていて、Xで“ホワイト案件”を見つけた」と、SNSで「ホワイト案件」と検索したところ今回の募集が出てきたと話している佐円容疑者。 この“ホワイト案件”という言葉は、どの程度大学生の間で広まっているのでしょうか。現役の大学生に話を聞くと…。 大学2年生: 最近、TikTokとか見ていると、そういう怪しい系のバイトの募集みたいなのは、広告とかでよくみかけます。 大学2年生: この前、インスタのストーリーで「5000円あげるから散歩しよう」みたいなやつを見て、これなんなんだろう?って聞いたら、デモに参加みたいな感じで。お金もらえる人ともらえない人みたいなのは、聞いた事あります。 SNSで流れているバイト募集の公告には、「簡単な仕事で高収入」をうたうものもあり、中には本当にお金がもらえるのかも怪しいものもあるといいます。
なぜ京都から来てまで?“トクリュウ”の巧妙な手口
――今回、京都からわざわざ東京まで来て罪を犯し、出頭したわけですが? 犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏: 「ホワイト案件」という言葉でだまして犯行させる、ましてや遠距離であれば知っている人がいないからと、一種の“旅の恥はかき捨て”みたいな、そうしたトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)の意図みたいなものが、本当に成功してしまっている。 ――ホワイト案件と書かれている時点で、怪しいと感じてしまうのですが、応募している高校生や大学生はそうは思わない? 犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏: そうですね、特に知識があるような一定の言葉をSNSなんかで検索している子からすると、これはいわゆる“転売ヤー”の下請けで購入をするとか思いがちなんです。実はこれは典型的な闇バイト募集のパターンという。そういうものを入り口にして、個人情報を出させてやらせると、あるいは最初の1、2回は違法性のないようなことをやらせて、ちょっとお金の魅力に取りつかれる、感覚がまひしてから「もっといい仕事があるよ、“出し子”っていうんだけど」というパターンもあると。 フジテレビ解説委員 風間晋氏: (応募する側は)薄々分かっているんだと思いますよ。でも、そちらの方向に進んでしまった時の“いいわけ作り”みたいなものを自分でしたいと。そういう心理も働いているのではないかなと。 「だまされた」「はめられた」とか、「悪いのは自分じゃないんだけど」という意識みたいなものを働かせたいというのがあるんじゃないかと。 石原氏によると、あえて犯行現場とは遠い場所から来させるのには、犯罪に加担させるための巧妙な手口の一つだといいます。 例えば、移動費を一度立て替えさせたうえで、「次の仕事の後に報酬と合わせて払う」などと言い、逃げられなくする。さらに、迷っている人に対して、「あなたを誰も知らないところに行けば捕まらない」などと言って誘い込むパターンもあるそうです。 犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏: ほかにも例えば、出張経費なんかは全部精算しますとアピールすることで、いかにも本当に一般の企業が出張の仕事を募集しているかのように偽装したり、本当にいろんな思惑があるわけです。あまり経済的に恵まれないような子供であれば、「旅行気分でいける」というのも大きな誘い文句になったのかも。 カズレーザー氏: 我々は違う立場にいますから、冷静に物事を見ていますけど、その場にいる人はそもそもそれが判断できない状況になっている。あとは、人間は自分のやった労力とかコストとかを過大に評価してしまうから、何かやってしまったら元を取り返さなくてはいけないと、でも本当はそこでやめるのが一番いいんですけど、なかなかやめられないという心理があるので、一度足を踏み入れてしまったら気付かずにいってしまうと思います。 我々も同じようなケースにあったら、だまされると思います。 MC谷原章介: いつこの連続強盗が途切れるのか本当に心配ですが、早く実行役を捕まえてほしいですし、ホワイト案件というものには絶対に応募をしない、検索をしない、注意をしていただきたいと思います。 (めざまし8 11月1日放送)
めざまし8
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