介護職で年収1千万円超、世の中にはびこる「やりがい搾取」に反旗翻す株式会社「土屋」高浜敏之代表取締役CEO
「経営が厳しいときにボーナスを減らさなきゃいけないのは経営者として当たり前。一方、少しでも待遇を良くしたいという思いから葛藤が生まれる」 そんな時、どうするのか。「経営にとって最善の選択を常に計算していくと決めている」と、あくまでも経営者としての立場を第一にする。従業員の不満に対し「『会社ってそういうものでしょ』みたいな乗り越え方はしない。しっかりと、なぜなのか、という説明の時間を持たせてもらっている」という。 ▽将来を見すえて 「福祉で利益を上げる」という考え方に反発する人たちも根強く存在する。「稼げるとか、(年収)1000万みたいなことを言えば、しっかり炎上します。私が攻撃する側だったからよく分かるけど、その思想にとらわれていると業界の未来はないでしょう」と将来を見据える。 「ビジネスを持ち込むことに対して反発を抱く文化圏があるのもよく知ってます。それだと長い目で見たときに業界を押し下げるのではという自分自身に対する反省からこういう方向性をとってます」。この考えを広め、情報発信するのが出版の意図の一つだ。
重度訪問介護のサービスを事業の基軸に据えつつ、高齢者や子どもたちへの支援事業にも力を入れ始めた。 「社会問題を解決するという第一目標はぶれていない。日本中どこにいてもサービスを受けられる、介護難民を解消する」。これが今課せられたミッションと位置づけている。