PSA、膀胱鏡…「前立腺がん」早期発見に必要な検査とは?《余命半年宣告の医療ジャーナリストが綴った教訓》
長田昭二氏(59)は余命半年の宣告を受けながら執筆活動を続けている。医療ジャーナリストとして前立腺がん闘病から学んだ「教訓」を詳らかに綴った。 【画像】抗がん剤を点滴する筆者 ◆◆◆
「偶然」からがんは見つかった
(1)PSA「4」を超えたら画像検査 前立腺がんは、進行して骨転移でもすれば痛みが出るし、がんの場所が尿道近くなら尿や精液に血が混じることもある。だが、基本的に早期では無症状だ。つまり早期で見つけるには、前出の腫瘍マーカー「PSA」に頼るしかない。 PSAは血液を採取して調べる。現在日本では9割以上の市町村が健康診断のメニューにPSAを入れており、毎年健診を受けていればスクリーニングできる可能性は高いが、受けなければ見つけるチャンスは限りなく少ない。筆者の場合、真夏の炎天下でランニングをしたあと、「真っ赤な尿」を見て驚いて診療所を受診。検査を受けたところ、真っ赤な尿は脱水によるもので血尿ではなかったのだが、その時に受けた血液検査でPSAが「3.5」と高く出たことから前立腺がんの疑いが生じた――という経緯がある。つまり「偶然」から見つかったのだ。 PSAの値が「4」を超えると統計的に前立腺がんがある可能性が高まる。PSAだけではがんと断定できないが、PSAが4を超えている、あるいは4以下でも1年間で0.75以上の上昇が見られたときは要注意。泌尿器科を受診して、次のステップに進むべきだ。 (2)膀胱鏡は「軟性鏡」なら痛くない 「次のステップ」とはMRI(核磁気共鳴画像法)による画像検査だ。検査着に着替えて検査台に横たわるだけなので、音がうるさい以外に苦痛はない。がんがあれば画像上に白く光るものが浮かび上がる。 筆者が初めて前立腺がんのMRIを受けたとき、小さく光るものが写った。しばらく放置していたらPSAが上昇し、2年後に再び撮影したら「光るもの」は大きくなっていた。「がんと思われるもの」は確実に成長していたのだ。