トランプ氏返り咲きに警戒感 イスラム組織ハマス幹部に単独インタビュー
「中東に平和をもたらす」と強調する一方、イスラエルと深い関係を築いてきたトランプ氏。選挙中にもネタニヤフ首相をフロリダ州の自宅に招いて会談するなど、イスラエルと連帯する姿勢を鮮明にしてきました。 イスラエルと対立するハマスはトランプ政権の誕生をどうとらえているのか。ハマスの幹部が緊急会議を開いているというトルコに向かいました。 鈴木あづさ記者(トルコ・イスタンブール) 「今、指定されたインタビュー場所に向かっています。ハマスの関連団体の事務所はイスタンブール郊外の工業団地の一角にあります」 インタビューに応じたのはハマス政治部門の幹部、バセム・ナイム氏です。トランプ政権1期目の苦い記憶を語りました。 「ハマス」政治部門の幹部 バセム・ナイム氏 「正直に言うと、彼の1期目は私たちパレスチナ人にとっては悲劇でした。彼らは対立をイスラエルの視点からのみ見ており、イスラエルによるエルサレムのユダヤ化や西岸地区の併合を支持しました」 トランプ氏は2017年にイスラエルとパレスチナ双方が聖地としているエルサレムをイスラエルの首都と認定。抗議デモが続発し多数の死者が出ました。 ハマス幹部は2期目のトランプ政権に警戒感をあらわにしました。 「ハマス」政治部門の幹部 バセム・ナイム氏 「戦争を終わらせるという自分の主張にトランプ氏が真剣に取り組むことを願います。そして戦争を終わらせる時、イスラエルへの偏った支持に基づくのではなく、正義と国際法に基づいて終わらせることを望みます」 さらに停戦交渉については、イスラエル軍の完全撤退など、ハマスが求める形でない限りは応じないとしました。 「ハマス」政治部門の幹部 バセム・ナイム氏 「我々は決して降伏しません。白旗もあげません。国家として真の権利を達成するその日まで戦い続けます」 今世紀最悪の人道危機が続くガザ。トランプ氏はどのように戦争を終わらせるつもりなのでしょうか。