中東情勢緊迫で「防衛関連株」が上昇、ロッキードら史上最高値
中東情勢の緊迫化を背景に、米株式市場では防衛関連企業の株価が上昇した。中東における最新の情勢を受け、ウォール街は軍需関連のサプライヤーによる大型契約の獲得が増加すると予測している。 米国の主要な防衛関連企業の株価は10月1日に上昇し、ロッキード・マーチンやRTX(旧レイセオン)、ノースロップ・グラマン、L3ハリス・テクノロジーズなどの株価はすべて2.6%以上の上昇を記録した。これらの企業の株価は、イスラエル軍がレバノンでの地上作戦を開始した翌日に、イランがイスラエルにミサイル攻撃を仕掛けたことを受けて上昇した。 ロッキード・マーチンとRTXの株価は1日に史上最高値を記録し、L3ハリス・テクノロジーズとノースロップ・グラマンの株価も2022年以来の最高値を記録した。 ブラックロックが管理するiShares米国航空宇宙・防衛ETFはこの日、1.2%高を記録して最高値を更新し、過去12カ月で43%高となっている。この上昇は、同期間のS&P 500種株価指数の33%を上回っている。この防衛関連株の上昇は、市場全体の下落の中で発生しており、S&P500はこの日約0.9%下落した。 この日の市場では、米国の東海岸とメキシコ湾に面したすべての主要港の港湾労働者がストライキ入りしたことで、サプライチェーンの混乱への警戒感が広がった。アップルの株価は1日、iPhone 16の需要低迷の報道を受けて3%下落している。 防衛関連株は、イスラエルやウクライナなどの米国の同盟国が関与する紛争が激化した場合に一般的に上昇する。1日の市場の動きは、2021年末から2022年にかけてサプライチェーンの問題と軍事的対立(ロシアによるウクライナ侵攻)が世界的なインフレと株価の下落を引き起こしたことを想起させた。しかし、経済学者の多くは、今回の港湾労働者のストライキが、2021年から2022年にかけての混乱ほど、米国経済に大きな打撃を与えることはないと考えている。
Derek Saul