「カプセルトイ」専門店が急増中なのはなぜ? 日本ガチャガチャ協会代表を直撃!
――700円とか1000円が当たり前になるかもしれない? 小野尾 どうなんでしょう。今も「このクオリティで500円!?」みたいな精巧なフィギュアやグッズがたくさんあって、例えばトイズスピリッツさんは、本当のかき氷が作れるかき氷マシーンのカプセルトイを出しました。ああいうクオリティのものを300円とか500円で出せるのはカプセルトイメーカーだけです。だからその幅が広がるのはいいことだと思いますね。 小野尾 その一方で、「赤の他人の証明写真」(作家・映画監督の寺井広樹氏が考案)とか、「ギャルが折った折り鶴」(ガチャっと!/ブライトリンク)、「お母さんの秘伝カレーレシピ」(ウルトラニュープランニング)など、原価はそんなにかからないだろうけど強烈なインパクトを残す商品がたびたび出てきて話題になってもいます。 小野尾 カプセルトイが面白いのは、例えばコンビニのレジ横に置いてあっても誰も買わないような商品が売れるっていうことですね。ネタ的なものでもみんな許容してくれるし、おみくじ的な楽しみもあって、そこはカプセルトイの最大の魔力だと思いますね。コンプライアンス、安全性を守ればカプセルに入れることで商品として売ることができます。ワクワクが止まらないエンターテインメントマシンですね。 カプセルトイの誕生は1965年と言われていて、来年で誕生から60年になります。まだまだ進化や変化がありそうで楽しみですね。 *** ●小野尾勝彦(KATSUHIKO ONOO) 一般社団法人 日本ガチャガチャ協会 代表理事。大手玩具メーカーでカプセルトイを担当後、カプセルトイ業界を盛り上げるために独立。「マツコの知らない世界」や「ZIP!」などメディア出演も積極的に行い、昨年は初の著書『ガチャガチャの経済学』を刊行。 取材・文/酒井優考 撮影/山添 太(小野尾氏)