特殊詐欺を3年半で7回防いだコンビニ、オーナーに感謝状 警視庁
パソコンがウイルスに感染したなどと思い込ませて電子マネーカードを買わせ、お金をだまし取る。そんな手口の特殊詐欺を間際で防いできた東京都羽村市のコンビニ店オーナーに15日、警視庁福生署が感謝状を贈った。この店舗が特殊詐欺を未然に防いだのは、この3年半で計7回になるという。 【写真】感謝状と「声掛けマイスター」の委嘱状を受け取った田中啓之さん=2024年10月15日午前11時45分、東京都福生市、岡田昇撮影 表彰されたのは「セブンイレブン羽村栄町1丁目北店」オーナーの田中啓之さん(57)=東京都昭島市。今年8月、高齢男性から「電子マネーカードはどこですか」と尋ねられた。買い慣れていない様子を不審に思った田中さんが使い道などを聞いていくと、「払わないとパソコンが直らない」という。詐欺の可能性があるから、まずは警察に相談してみてはと男性を説得し、110番通報した。すぐに福生署員が駆けつけ、男性は5万円をだまし取られずに済んだ。 同店が特殊詐欺の被害を防いだ7回のうち、4回は田中さんが関わっている。心掛けているのは、来店客へ「いらっしゃいませ」と声掛けすることだという。同時に様子をうかがい、「店内をきょろきょろ探してから高額の電子マネーカードを買うようなときは用途を尋ねるようにしている」と話す。 田中さんは同署の高木淳署長から感謝状を手渡され、警視庁の「声掛けマイスター」を委嘱された。8月末時点で約730人が務めているという。田中さんは「これまでの事例を従業員と共有し、これからも地域の役に立ちたい」と話した。(岡田昇)
朝日新聞社