イオン鴨川店が移動販売スタート 1000品目載せ週6日18カ所巡回(千葉県)
総合スーパー「イオン」を展開するイオンリテール南関東カンパニーは21日、鴨川市のイオン鴨川店で移動販売をスタートした。買い物に行くことが難しい高齢者らの支援が狙いで、生鮮品や日用品など約1000品目を軽トラックに載せて販売し、早速住民らが品定めをしながら買い物を楽しんでいた。 市によると、65歳以上の高齢化率は約4割に上り、同店では、買い物について、「いつも同居の親族に買ってきてもらうが自分で選びたい」「店舗への交通手段が限られ、自宅近くに店があったらいいのに」といった意見が寄せられていたという。 そこで、地域のニーズに応えようと、同社で県内6店舗目となる移動販売をスタート。日曜を除く週6日間稼働し、近隣に店舗が少ない、自家用車以外の交通手段が限定的なエリア(田原、東条、横渚、貝渚、天津、浜荻、曽呂)を中心とした計18の販売場所を、原則週2回巡る。 同店の移動販売は、野菜や魚、肉などの生鮮品だけでも約150品目積載するなど、品ぞろえの充実が特長で、すしや刺し身、総菜、パン、スイーツ、お菓子の他、持ち帰りがしにくいアイスや切り花なども販売する。また、食品以外でも、同店で取り扱っている商品を事前に注文し、次回届ける「御用聞き」も行う。セール品を含め、店と同じ価格で販売される(販売手数料として1品当たり10円必要)。 初日の21日、田原地区の坂東団地の公園では、音楽を鳴らしながら移動販売車が到着すると、続々と住民らが集まり、「牛乳はありますか」などと会話しながら、和気あいあいと買い物を楽しんでいた。 利用した人たちは「車の運転ができないのでありがたい。野菜や果物も買えていい」(80代女性)、「商品がたくさんあってびっくり。近所の人と会話もできて楽しい」(70代女性)、「普段はバスで買い物に行っているが、品ぞろえが良く満足。週2回来てくれるのでありがたい」(60代女性)と喜んでいた。 須藤理恵店長は「地域の活性化を目指し、市や地域の皆さまの協力を得ながら1年前から準備を進めてきた。個人商店のように販売員と会話しながら、買い物の醍醐味(だいごみ)である、自分で商品を見て手に取る喜び、選ぶ楽しみを移動販売で味わってもらえたらうれしい」と話している。 問い合わせは、イオン鴨川店(04・7093・6511)へ。