ブラジル最悪の環境災害 鉱業会社最大手を集団訴訟
ベント・ロドリゲス、ブラジル、10月22日 (AP) ― ブラジル最悪の環境災害の被害者グループが10月21日、有毒な採掘廃棄物が主要水路に流れ込み、19人が死亡し、地域社会が壊滅的な打撃を受けた事故からほぼ9年後、補償を求めて世界最大の鉱業会社を英国の裁判所に提訴した。 ロンドンの高等法院に提起された集団訴訟は、世界的な鉱山大手BHPに対して推定470億ドルの損害賠償を求めている。原告の代理人である法律事務所によれば、これは過去最大の環境賠償金となる。 BHPは、鉄鉱石鉱山を運営するブラジルのサマルコ社の株50%を所有している。そのサンマルコ社の鉱滓ダムが2015年11月5日に決壊し、ブラジル南東部のドセ川に大量の鉱滓が流出した。 2つあるBHPの主要法人のうち1つが当時ロンドンに拠点を置いていたため、この訴訟は英国で提訴された。 BHPの代理人は提出書面の中で、この主張には「根拠がない」と述べ、BHPはダムを所有・運営しておらず、「ダムに関する知識は限られており、安定性が損なわれていることなど知らなかった」と述べた。 この事故で、地域先住民が神としてあがめるドセ川は、汚染され、いまだに回復していない。 アルスター大学の調査によると、この災害によって14トンの淡水魚が死に、ドセ川の660キロが被害を受けたという。 ダムが決壊したとき大量のヘドロが流れ込んだベント・ロドリゲスは、かつてミナスジェライス州のはなやかな村であったが、今ではゴーストタウンのようだ。 *訂正:本文中の470億円は470億ドルの誤りです。お詫びして訂正します。 (日本語翻訳・編集 アフロ)