質量分析技術者を育成・派遣 島津製作所とパーソルテンプスタッフが協業
島津製作所とパーソルテンプスタッフは21日、京都市の島津製作所本社で会見、双方が質量分析装置(MS)技術者の育成・派遣で協業、島津のMSユーザー向けに技術者を派遣すると発表した。会見には島津側から分析計測事業部の飯田順子上席理事、元森渉営業本部副本部長、パーソルテンプスタッフ側は研究開発事業本部の田村有紀本部長、同本部土肥武室長が出席して合意に至るまでの背景説明をした。 MSは物質をイオン化して、その質量と量を測定して、対象試料中にどのような物質がどのくらいあるか測定する装置。島津製作所が世界市場で強い分野とされている。 今回の協業では具体的に育成プログラムを島津側が開発、島津の社員が自社のMSを使ってパーソルテンプスタッフの派遣予定者を京都市の本社と川崎市にある拠点で指導。パーソルテンプスタッフはMSの操作を学んだ技術社員を大学や研究機関など島津製品のユーザー向けに派遣する。 高度な測定技術のMSで人材派遣を利用する経緯について飯田上席理事は「MSを使いこなす人はなかなかいない。せっかく装置を導入しても結果が出ないのでは機会を失う。社会のためにも取り組んで欲しい」という話をある大学の研究者から聞き、育成・派遣サービスに踏み込んだと説明。 島津としても、MS導入の潜在需要の掘り起こしにつながると期待しているという。 パーソルテンプスタッフの田村本部長によると、同社は研究開発(R&D)分野の採用、育成を強化しており、現在約700~800人が技術社員として在籍しているという。
電波新聞社報道本部