「当然、連覇を」最強コンビ“藤井・豊島”は再選出なるか!?中部・杉本昌隆監督、ルール変更は「自分にもチームにとっても厳しい」/将棋・ABEMA地域対抗戦
背負う期待はどの地域よりも大きい。「当然、連覇を」――。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」が1月11日に放送を開始する。10県を束ねるとともに、若き絶対王者・藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)を地域メンバーに抱えるチーム中部(静岡・愛知・岐阜・三重・山梨・長野・石川・富山・福井・新潟)は、今期も杉本昌隆八段(56)が監督に就任。ルール変更が行われた今大会は、「自分にもチームにとっても厳しい」と悩ましい表情も見せている。“最強地域”の座を今年も守ることはできるのか!? 【映像】連覇への強い思いを語る杉本監督 “天下布武”を掲げて臨んだ第1回大会は、愛知県瀬戸市出身で七冠保持者の藤井竜王・名人と、愛知県一宮市出身でタイトル6期の豊島将之九段(34)の二枚看板を揃えて、見事初代“最強地域”の座に就いたチーム中部。監督を務めた杉本八段は「応援していただけるファンの方と一緒に、私達棋士も本当にやりがいを持って戦えた大会でした」と振り返った。 杉本八段はチーム監督として、ファンが集うパブリックビューイングにも参加。「一戦一戦というか、一手一手ですね。本当にスポーツを観戦するように楽しんでいただけてるなと感じました」とその熱気に圧倒された様子。「今までの将棋というのは一対一で静かに行うもので、勝っても負けても嬉しいのは指した自分だけなのかなって思うこともありました。でも、チーム戦ということで、まずその仲間の人たちが喜んでくれる、そしてそれを見ているファンの方も喜んでいただけるということで、本当にやりがいもありました。将棋全体を応援していただけるというのが嬉しかったです」と感慨もひとしおだったようだ。 ファンの注目は最強コンビ“藤井・豊島”の再結成なるか、ということになるだろう。前期は両名の出場登録棋士選出を早々に明言していた杉本監督だったが、「中部は該当する棋士も多いのですが、非常に本当に強力な棋士が多いですよね。そういう意味で本当にメンバーを選ぶのには苦労しました」。最強コンビとともに、ベテランから若手まで層の厚いチーム中部は、どのような布陣となるのか。 さらに杉本監督が頭を悩ませるのは『ルール変更』だ。前回大会では、自らは監督業に専念し、メンバーの継投と藤井竜王・名人の“無双”と、最強の勝ちパターンを武器に頂点へ昇り詰めたチーム中部。しかし、今大会ではステージ1には監督を含む出場登録棋士全員が対局するルールとなった。「去年はあれだけ強力なメンバーだったので一局でも多く他の棋士の対局を見て欲しいという思いがありました。でも今回は全員が対局をしなければいけないということで“必ず私が対局する”わけで…。これはチーム中部にとっても自分にとっても厳しいルールになったなと思いました」。 しかし、これはチーム戦だ。「もちろん星の上で自分が勝ってリードして、っていう形が一番理想なのかもしれませんけど、自分がひどい内容で負けたとしても逆にそれでメンバーの人の気持ちが楽になってくれればいいなと思います。そのチーム全体としてメンバーの方に一番良い状態で指してもらうために、どういう編成をしたらいいかなっていうのを考えています」と前を向く。出場登録棋士はもちろん、杉本監督がどのような“打順”を組むのかにも注目したい。 杉本監督は“最強地域”の座を防衛することができるのか。2期目の采配にも、注目度と期待は高まるばかりだ。 ◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部