『イル・ポスティーノ』4Kリマスター版が11月公開 新たに制作された予告編&ポスターも
1996年に日本公開された『イル・ポスティーノ』が、4Kデジタルリマスター版として11月8日より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開されることが決定した。 【写真】『イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版』場面写真 本作は、祖国チリを追われた実在の詩人パブロ・ネルーダが、ナポリ湾のカプリ島に身を寄せた史実に基づき、名声に輝く偉大な詩人と、そんな煌びやかな世界とは全く縁のなかった内気な郵便配達人との間に芽生えた友情を描いたイタリア映画。第67回アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされ、作曲家ルイス・エンリケス・バカロフの楽曲がオリジナル作曲賞を受賞した。そんな本作が製作30周年を記念して4Kデジタル映像となった。 主人公の郵便配達人を演じたのは、マッシモ・トロイージ。彼はもともと心臓に病があり、本作の撮影中には1日2時間しか演技ができなかった。そして本編撮影終了の12時間後に完成作品を観ることなく41歳でこの世を去った。 主人公に心を許しメンター的な存在となっていく高名な詩人パブロ・ネルーダに扮したのは、『ニュー・シネマ・パラダイス』の映写技師役で知られるフィリップ・ノワレ。撮影中には今にも倒れそうなトロイージを励まし続けたという。 イタリア・ナポリ沖合いの緑あふれる小島。高名な詩人パブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)が、祖国チリを追われ亡命してやって来る。内気な青年マリオ(マッシモ・トロイージ)は、ネルーダへ手紙を運ぶ郵便配達人となり、彼との交流を通じて、詩の魅力を知っていく。やがてマリオは、バーで働くベアトリーチェに一目惚れし、ネルーダに恋の相談をするが……。 トロイージは詩人のネルーダを敬愛し、彼をモデルにしたアントニオ・スカルメタの小説『バーニング・ペイシェンス』に感銘を受けて自ら本作の企画を立ち上げ。脚色チームにも参加した。そして、ネルーダが数年間イタリア南部の小島で過ごした事実を基に映画化を実現。トロイージからの要請を受け、『1984』のマイケル・ラドフォードが監督と共同脚色を務めた。2024年はネルーダ生誕120周年でもある。 修復された本編より新たに制作された予告編とポスタービジュアルも公開。予告編には、ネルーダと郵便配達人マリオの友情、ネルーダが紡ぎ出す言葉の豊かな力と詩を知って喜ぶマリオの姿が映し出されている。 ポスタービジュアルには、南イタリアのナポリ湾に浮かぶ小島の陽光や青い海と空が捉えられており、「“言葉”が、人生に愛を運ぶ」というキャッチコピーが添えられている。
リアルサウンド編集部