’19センバツ習志野 第3部・支える人たち/中 あかぎれ苦にせず 3人のマネジャー /千葉
<第91回選抜高校野球> 習志野を陰で支えているのは1年生3人の女子マネジャーだ。練習中は部員のために給水ボトルを用意したり、グラウンドや部室の掃除をしたり。合宿や試合にも同行して選手の活動を支える。3人とも習志野の野球に憧れて入学してきた。 石塚美妃さん(1年)は小学生の時は少年野球チームに所属し、中学ではバレーボール部主将だった。2017年夏に習志野の試合を観戦した。大音量の吹奏楽部の演奏の中で活躍する野球部に「他校とは違う『オーラ』を感じた。私もこんなすごいチームを支えたい」と習志野を目指した。 平日の練習では午後8時ごろまで部員らを見守る。「楽しいこともあるけど、つらいこともある」。寒空の下、水仕事で手があかぎれすることもしばしば。しかし、「ありがとう」という選手の言葉に「頑張ろう」と気持ちを新たにする。夜遅くまで練習する選手を間近に見て、その苦労を痛感する。「甲子園では集まったたくさんの人に選手を応援してもらいたい」と願っている。 榎本真琴さん(1年)は母が習志野の卒業生。母に連れられて試合を観戦するようになり野球部に憧れた。中学1年だった15年夏、QVCマリンフィールド(現ZOZOマリンスタジアム)での県大会決勝は、習志野の応援席に座った。専大松戸に敗れて甲子園出場を逃したが、「一つの目標のために一生懸命に頑張る姿にひかれた。そんな選手たちを支えたい」と思った。 入部後はこわもてに見えた選手らの優しさや、厳しい練習に励む姿に改めて魅力を感じた。中学時代はバレー部副主将で、厳しい言葉をかける役割だったが、今は選手の体調を気遣う毎日だ。「甲子園まであと1カ月。けがのないよう本番までの時間を過ごしてほしい」と話す。 「将来はスポーツに携わる仕事に就きたい」と語るのは戸澤美羽さん(1年)。作業療法士や教職を目指し、選手の小さな体調変化を気にかけて、積極的に声をかけられるよう努めている。 中学3年の時に観戦した習志野の試合で「野球部とスタンドの一体感に目を奪われた」。それまでは別の進学校を考えていたが、習志野に決めた。入部してから「普通の女子高生では得られない経験をしている」と実感している。 選手と同様に休みは少なく、帰宅は午後9時になるなど、遊ぶ余裕もない。疲れて眠くなるのをこらえながら勉強に取り組む。苦労した分だけ試合に勝った達成感は大きいという。「甲子園まであと少しだけど、少しでも選手のためにしてあげられることを考えたい」と話している。 3人はセンバツに向けて千羽鶴を作製中だ。「憧れの甲子園で、これまでの努力が報われてほしい」と声を合わせた。