大宮駅の高度化構想、周辺も交通基盤など整備どうする 海外を含め他都市を参考、課題も まちづくりのポイントは「物理的につながるだけでなく、行き先に期待感を持てるか」
埼玉県のさいたま市議会大宮駅グランドセントラルステーション(大宮GCS)化構想特別委員会オープン委員会が、同市大宮区の大宮門街の門街広場で開催された。委員の市議や市民ら80人以上が参加。専門家が「大宮GCS構想とみどりの調和について」をテーマに講演し、質疑応答や意見交換が行われた。屋外での開催は初という。 桜木駐車場の用地を示した地図画像 大宮の巨大ランドマーク誕生へ 30年「塩漬け」状態、今まで何があった
大宮GCS化構想は、大宮駅の駅前広場を中心とした交通基盤整備、駅前広場に隣接する街区のまちづくり、乗り換え改善などを含む駅機能のさらなる高度化を三位一体で推進する取り組み。 講演は「都市のみどり」に関わる行政の専門家で、大宮GCSまちづくり調整会議副会長を務める元さいたま市技監の古沢達也氏が担当。健康や環境、防災、歴史など都市緑地の多面的機能を語った。海外を含めて、緑と調和している他都市の近年の建物を紹介。大宮の街の成り立ちを説明した後、調和の方法の一つの可能性として街路樹を挙げた。ただ街路樹は厳しい生育環境や強剪定などが原因で、樹形悪化を招いている課題があることを指摘した。 市議からは「大宮GCSから氷川参道や大宮公園の緑につながる工夫」について問われ、古沢氏は「物理的につながるだけではなく、その行き先に対し期待感を持たせることが重要」とし、方法の一つに街路樹や建物の緑化などを提案した。
別の市議から「モデルとなる都市」を聞かれた古沢氏は、街の成り立ちや積み重ねてきた歴史、住民の性質などから都市の特性に合わせオリジナルで考えるべきだなどとしてモデルは示さなかった。ただ駅前を公園、人の空間にした兵庫県姫路市を参考事例として挙げた。