中谷潤人の親友のアルバラード、日本デビュー戦で判定勝ち 中谷とオラスクアガがリングサイドで応援
プロボクシングのバンタム級8回戦が18日、東京・後楽園ホールで行われた。WBC世界バンタム級王者の中谷潤人（26）＝M・T＝の米カリフォルニア州ロサンゼルスでのチームメートで、親友のエイドリアン・アルバラード（25）＝米国＝が、東洋太平洋同級12位のエイドリアン・レラサン（25）＝フィリピン＝に3－0の8回判定勝ち。日本デビュー戦を白星で飾った。 愛称の「エーディー」とカタカナで書かれたワッペンをトランクスのベルトラインに縫い付けて登場。2回に右ストレートで効かせて、ロープにつめて連打でダウンを奪う。その後はレラサンの強烈な右フックなどを被弾する場面もあったが、最後まで打ち合って接戦をものにした。試合終了のゴングが鳴ると、両者が手を挙げて勝利をアピール。ジャッジ2人が76－75、残り1人が77－74でアルバラードを支持した。 〝エイドリアン対決〟を制し、リング上では喜びを表現したアルバラードだが、「もっとファンにいい試合を見せたかった。自分はもっと良い選手だと信じている。実力をすべては見せられなかった」と試合内容には不満顔だった。 それでも、ボクシング漫画の『はじめの一歩』のアニメ版を見て憧れていた後楽園ホールの雰囲気を「アメイジング（すばらしい）」と表現。「日本のファンをいっぱい作って、潤人とトニー（オラスクアガの愛称）の前座でもいいから、いつかまた日本で試合をしてみたい」と日本で再びリングに上がることを希望した。 アルバラードは6日に来日し、中谷の神奈川・相模原市にある実家で、中谷と同じくチームメートで親友のWBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ（25）＝米国＝と3人で最終調整。中谷とオラスクアガの防衛戦（14日、東京・有明アリーナ）をリングサイドで応援し、「とても刺激を受けた」と高いモチベーションでリングに上がった。 この日は中谷とオラスクアガがリングサイドで応援。「ジャブ、ボディー」などと声を出してアドバイスを送った中谷は「ヒヤヒヤした」と安堵（あんど）の表情を見せた。「エイドリアンが後楽園ホールのリングで試合をすることは想像もしていなかったこと。ましてや自分がリングサイドで応援しているなんて」と不思議な感覚になったと話した。「1日で3人が勝利することも成し遂げたい」と新しい目標ができたとした。 オラスクアガは「とても良かった。相手のパンチが強かったから、少し緊張した。彼にとっては次への大きなステップだ。3人そろって日本で試合ができてとてもうれしい」と笑顔を見せた。
興行は動画配信サービスのU－NEXTで午後5時35分から生配信された。プロ戦績はアルバラードが14戦11勝（5KO）2敗1分け、レラサンが21戦14勝（6KO）7敗となった。（尾﨑陽介）
