メダリストも滑った「学校のスキージャンプ台を直したい」 小学4年生が奔走 イベントでアクセサリー販売や募金
白馬村白馬北小学校の4年生47人は、校内にある老朽化で使えなくなったジャンプ台を復活させようと奔走している。修理に向けて児童は「白馬北小ジャンプ台直し隊」を結成。地元のイベントに参加し、募金やアクセサリー販売などで資金を集めている。 【写真】老朽化で使用禁止になっている白馬北小学校の小ジャンプ台
校内には大小2基のジャンプ台があるが、修復が必要なのは高さ約10メートルの「小ジャンプ台」。台を支える骨組みがゆがんでおり、安全を考慮して2022年から使用を禁止している。現在、見積もり中だが修理には数百万円かかると見ており、費用の一部に児童が集めた資金を充てる。
ジャンプ台は1968(昭和43)年に保護者らによって作られた。当時は、不要になった地元農家の稲のはぜかけ棒を使って製作。5年後に鉄骨に切り替わり、低学年向けに小ジャンプ台が整備された。卒業生で北京冬季五輪ノルディック複合団体銅メダリストの渡部暁斗選手と善斗選手も滑っており、4年生の担任の塩原一矢教諭は「ジャンプ台は白馬北小学校の大きな特色」と話す。
今の4年生にとって、1年生時に初めて滑ったのがこの小ジャンプ台。思い入れはひときわ強く、7月から資金を集めるためのアイデアを出し合ってきた。9月14日の地元のイベントに出店し、募金の他、自作アクセサリーの販売や全校児童から集めた物でフリーマーケットを行ったところ約40万円が集まった。
手応えを感じて10月5、6日に開催される同村の雪峰祭にも参加する予定で、アクセサリーは量を増やして用意し、地元農家と協力して野菜の販売も計画中だ。仁村羽優さんはパソコンを使ってポスター作りをしている。秋らしさを表現するために紅葉のイラストを織り交ぜ、「みんなが見てくれるデザインに仕上げて多くのお金を集めたい」と話す。
ジャンプ台が直るのは早くても来年の冬になる。仁村さんは「卒業までに間に合わせたい」と意気込んだ。