独代表は「別レベルに上がると思う」 同僚が絶賛…母国開催EUROで期待大“悪夢払拭”のキーマン【現地発コラム】
トニ・クロースをドイツ代表同僚も絶賛「たくさんのものをもたらしてくれる」
悪夢の払拭。未来への再出発。希望への序章。情熱の集結。 6月14日に開催する欧州選手権(EURO)をドイツ国民はどんな思いで待ち望んでいるのだろう。 【画像】「文字通り芸術」 クロースがラ・リーガ10年間のプレーで記録した“パス成功マップ” ワールドカップ(W杯)を制した2014年からすでに10年の時が経った。頂点にたどり着くのは難しいが、頂点に居続けることはさらに困難だ。ドイツにしてもさまざまな取り組みを続けてきたはずだが、結果として下り坂を転げ落ち続けることになってしまった。何度も、何度も。 母国開催の今大会は軌道修正するための絶好機。そんなドイツ代表において期待を一身に背負うのがトニ・クロースだ。 ウェンブリーで行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝でもレアル・マドリードの中心選手として活躍し、見事チームを優勝へと導いた。前半はボルシア・ドルトムントの勇敢かつ効果的な攻撃でピンチを招くシーンも少なくなかったレアルがハーフタイムに相手の対策を見極め、自分たちの時間帯を作り出せるようにと布陣と戦術を修正。ボールを失ってもカウンターを許さないようにボールを動かし、相手にスペースを与えないように守備時のポジショニングを取っていく。 相手の狙いを外し、自分たちで主導権を握っていくその中心にクロースがいた。巧みなパスワークでリズムを作り、鋭い縦パスで変化をもたらし、抜群のポジショニングで攻守に起点を作る。競り合いにも強い。何よりどんな試合でも驚くほどの冷静さでプレーする。世界最高峰のCL出場数は151試合で、CL優勝は6度を誇る。ドイツ代表として重ねた試合も109試合。どの経験も半端ない。 そんなクロースのことを、代表で同僚のMFパスカル・グロス(ブライトン)はウクライナ戦後のミックスゾーンでこんなふうに話していた。 「CL優勝とともに代表に合流する。ものすごいたくさんのものをもたらしてくれると思う。世界最高峰の大会で優勝してきたんだ。トニ・クロースはドイツ最高のキャリアを誇る選手。チームは別のレベルに上がると思う」