父・ハマコーと親子二代、無派閥の理由
好きな親分のもとに集まればいい
――自民党は派閥をめぐる政治資金規正法違反事件を受け、カネと人事で影響力を行使する「これまでの『派閥』を禁止する」とする一方で、「政策集団」の存続を容認しました。 なんで「政策集団」って言わなきゃいけないのかね……。そういうのが馴染まないからひとりでいるのかもしれません。「政治家集団」ならいいけれどね。 「政策本位で集まれ」と言っても、政策のどこをポイントにするのかで基準が変わってくるし、集まったところで、「政策が違う」ことを理由にまたすぐ分かれる可能性もあるわけです。 親分のことが好きか嫌いかで人が集まるというスタイルが一番いいのではないか。その人の魅力、面倒見の良さ、政策が好きで総理になってほしい、だから総裁選を手伝う。好きな親分のもとに集まっていれば、(パーティー券を販売してキックバックを不正に得るというような)多くの見返りは求めないんじゃないでしょうか。それぐらい単純にしないと、なかなか人は集まりませんよ。 カネと人事で影響力を行使する派閥は禁止すると言っても、人の集まりである以上、最後は必ずまたそこに行き着きます。今回の件も(パーティー券販売で得た収入を)正しく処理し、オープンにしていれば、何の問題もなかったわけです。商売をやっている知人に言われちゃいましたよ。「先生方は小遣い帳もつけられないのですか」って。脇を締めて、問題が起きないようにきちんとしていれば済む話だったのに、国会議員が辞めるような話にしてしまったんです。ただ、時代の価値観は変わってきています。集まる側も、親分に絶対、忠誠を尽くすかと言えばそうではない。実はそこが一番の問題点かな、とも思っています。
部会への出席回数を人事評価に
――主要な派閥が解散し、無派閥議員が増えました。派閥本位だった党運営をどう改めるべきでしょうか。 東京都や南関東、九州など11に分かれている衆議院比例代表ブロックを活用し、対応していく手もあるでしょう。地域にはそれぞれ特有の課題があり、地域バランスに配慮するというやり方です。 もう一つは、部会での活動を人事評価の基準にすることです。部会で専門性を高め、積み重ねた経験が評価されて大臣になっていくというルートが確立されれば、「このポストが空いたから、誰でもいいからやってもらう」ということにはならない。衆院議員が1人しか選ばれない小選挙区だからといって、全員がすべての政策に通じたオールラウンダーになる必要はない。地元からの陳情であっても、自民党全体を見渡し、特定の政策に通じた議員のところに行ってもらえばいいのです。 器用ではない僕が防衛、水産の分野でそれなりの積み重ねができたのは、それぞれの部会での経験が大きいと思っています。 各部会への出席回数や発言の内容はチェックできます。僕も親父に言われたことがありましたから。「おまえ、この頃あんまり部会に行ってないらしいな」と。 ――ハマコーさんはそこまで気にかけていたのですか。 党事務局に聞けばすぐわかります。政調(政務調査会)にしても国対(国会対策委員会)にしても、そこに長く座っている、経験値の高い党職員がいますからね。出席率のいい議員は先に本会議の壇上で質問させてもらえるとか、汗をかいた人が評価されるシステムにすることは可能だと思います。