浦沢直樹に聞く 33年にわたって描きまくる作品の世界
南港で「描いて描いて描きまくる -大阪の巻-」開催中
浦沢直樹に聞く 33年にわたって描きまくる作品の世界 THEPAGE大阪
『YAWARA!』『20世紀少年』『MONSTER』など数々の名作を発表し続けている鬼才、漫画家・浦沢直樹の「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる -大阪の巻-」が、大阪の南港にある「ATC特設会場」(大阪市住之江区)で始まった。原画展示をはじめ、秘蔵イラスト、ストーリーの構想メモなど膨大な手稿を公開している。内覧会に登場した浦沢は「漫画を描くのはもともと遊び。仕事で漫画家になりたいと思ったことはない。子供の遊びの延長です」などと話した。来年1月25日まで。 無料漫画アプリの台頭 ── それを支える重要な2つの要素とは?
印刷物とはまた違った息遣いが感じられる
本展は、『YAWARA!』『20世紀少年』『MONSTER』『パイナップルARMY』などの原画だけでなく、デビュー作の原画から少年時代の漫画ノートに至るまで、33年にわたる浦沢作品の世界を体感できる。 しかも、原画そのものを単行本一巻まるごと展示するコーナーでは『MONSTER』最終巻など、珠玉の原画を一挙に公開。印刷物とはまた違った息遣いが感じられる。毎月140枚の原稿を17年間描き続けたというから、並みの精神力ではないだろう。 アイデアは「お風呂に入っている時にぱっと閃いたりする」とも話し、さらに漫画を通じて「子供たちに夢や希望を見せるのは大事かなと思う」とも。
影響を受けた漫画家は?
影響を受けた漫画家については「僕は手塚先生の作品を見て、『火の鳥』がすごいな~と思って、その衝撃があって。1978、79年に大友克洋が『童夢』で出て来て、その衝撃を目撃している。手塚先生をファーストインパクト、大友克洋さんをセカンドインパクトと考えると、あれほどのインパクトが今、この世の中に起きてるかどうか疑問です。何かそれを打ち破る新しい衝撃、そういう人が出てきたらサードインパクトとして、また影響を受けたりするんだろうなと思う」を語っている。 明星大学人文学部経済学科卒業。1983年、『BETA!!』でデビュー。スポーツものからSF、ミステリーまでジャンルは幅広い。手塚治虫文化賞、メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、アングレーム国際漫画祭優秀長編賞(フランス)をはじめ、数々の漫画賞を受賞。コミックスの売り上げは累計1億部を突破しているという。