うつ病の壁を乗り越えた30歳が「異次元の脚のカット」で魅せた サマスタプロ戦3連覇達成
12月8日(日)、 ベルサール渋谷ガーデンにて『サマー・スタイル・アワード JAPAN PRO GRAND PRIX』が開催され、岡崎峰幸(おかざき・たかゆき / 30)さんがプロ・スポーツモデル部門ショートクラスで1位を獲得した。全体的な肉体の発達とバランスの取れたスタイルが求められるこの部門。1本1本の筋線維が感じられる筋肉美を披露した岡崎さんは今大会で驚異のクラス別3連覇を達成した。しかし、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。 【写真】岡崎峰幸さんのバキバキな腹筋と脚
筋トレ歴は7年目になるという岡崎さん。トレーニングをはじめたきっかけは4年間に渡るパワハラ被害の末、うつ病を患ったことだった。 「当時現場監督の仕事をしていた私は長くパワハラ被害を受けていました。心がすり減りながら毎日必死に生きていたある日、母のガンが発覚し自分が崩壊しました。3カ月間ほど声を出せなくなったり、夢遊病なのか、意識のない状態で深夜に海に行っていたこともありました。そんなとき、父が ”自分のメンタルを鍛えるためにも” と誘ってくれたのが筋トレだったのです」 目の前に立ちはだかった大きな壁を自分の力で乗り越えてきた岡崎さんは、今大会の優勝で2022年からの連覇を『3』に伸ばした。全体のレベルも上がる中、勝ち続けることは決して簡単ではない。 「これまでも良い評価は頂いていましたが、まだまだ筋量は足りないと感じていました。そこで今回は、脚のカットと上半身のボリュームアップを意識。扱う重量を増やすだけでなく、筋トレの頻度も増やしましたね。少し表現は難しいですが、私は筋線維を細かく使う意識をすることで筋肉のカットが出ると考えているので、トレーニングの質にもこだわりを持って取り組みました」 現在はパーソナルジムを経営しながら、自身もトレーナーとして活動をする岡崎さん。1日12時間、ほぼ毎日働き詰めの中でのトレーニングは"短時間集中型"ともいえるスタイルだ。 「トレーニングは1日45分。私は時間より密度が大切であると考えています。夏頃のぎっくり腰や右肩のケガの影響で、思うようにトレーニングできず不安もありましたが、3連覇という結果を残すことができました。これも、一つひとつのトレーニングを丁寧に行う意識が身体に染み付いていたからこそ得られた結果であると信じています」 うつ病に最愛なる母の病。様々な逆境を乗り越え、現在ではジム経営をしながらサマスタ日本一の称号を得た岡崎さんが"頑張ることの大切さ"を語る。 「自分にとって辛いことがのしかかり、心が落ち込んでしまうこともあるでしょう。塞ぎ込みたくなることだってあると思います。でも、そこで運動への一歩を踏み出してみてください。ウォーキングでもいい。自分のできることから始めるのです。少しでも頑張れば、のちのち良いことがあるかもしれませんよ。私は『良いこと』を体感してメンタルが救われました。何かに没頭することは自分の心の回復につながります。見える世界も変わる。皆さんもトレーニングを通して素敵な女性・男性になりませんか?」 大きな壁を乗り越えた岡崎さんはたくさんの人々に希望の光を与える。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:池田光咲 撮影:夏目英明