キム・ゴードンが語る電子音楽とリズムへの傾倒、『バービー』、カート・コバーン、大統領選
ソニック・ユース、人生最良のアドバイス、回顧録を振り返って
ソニック・ユース、人生最良のアドバイス、回顧録を振り返って ―あなたがソニック・ユースの再結成ライヴやツアーに参加する気になるには何が必要ですか? ゴードン:わからない。やっても前ほど良くはならないでしょう。 ―サーストン・ムーアの回顧録はどう思われましたか? ゴードン:まだ読んでません。ついに世に出せてよかったねと思う。 ―あなたのヒーローをひとり挙げてください。 ゴードン:ジョーン・ディディオンがヒーローみたいなものかな。一種のアンチヒーローでもあるけれど。彼女は典型的にポジティブなロールモデルではないけれど、彼女の文章のスタイル、彼女の揺るぎなさ、歴史上のいまとは違う時代にただ彼女自身でいたこと、ジャーナリズム界の女性でいたことに共感をおぼえます。 ―いまのインディーロックを追いかけていますか? ゴードン:いいえ。でも今度いっしょに演奏するケルシー・ルーは好き。彼女は面白い。チェロを弾くんです。 ―これまでにもらった最高のアドバイスは? ゴードン:ニール・ヤングに言われたんだけど、音域とかそういう意味での声の良し悪しは関係ない、どれだけ本物に聞こえるかが重要なんだ、って。それはずっと心に残ってますね。 ―ベストセラーとなった回顧録『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』が出版されてからもうすぐ10年になります。あの本を書いたことでどんな影響がありましたか? ゴードン:自分の人生について、自分がどこから来たのかを考えたかな。自分はこれまでずっとあまり変わっていない、たとえば5歳の頃から同じ人間だというふうに感じてきました。あの本が出て私は前より人から興味を持たれるようになったと思う。 ―あの本の成功には驚きましたか? ゴードン:間違いなくそうね。正直、回顧録を書くというのは私自身が発案したわけではなかったんです。みんなパティ・スミスの回顧録がすごくうまくいったのを見て、次を探していたんだと思う。「私は書くのが好きだし、この機にどうやっていまの自分がいるところに至ったのか考えてみるのもいいかも」と思ったんです。 ―それについてどんな結論に達しましたか? ゴードン:私は結論というものを信じない。 --- キム・ゴードン 『The Collective』 発売中 FUJI ROCK FESTIVAL’24 2024年7月26日(金)27日(土)28日(日)新潟県 湯沢町 苗場スキー場 ※キム・ゴードンは7月28日(日)出演
David Browne