山下美夢有が今季2勝目 3連覇を狙う次週の国内メジャー&米ツアー最終予選会に弾み/国内女子ゴルフ
大王製紙エリエールレディス最終日(17日、愛媛・エリエールGC松山=6575ヤード、パー71)単独首位で出た山下美夢有(23)=加賀電子=が5バーディー、2ボギーの68で回り、4日間(パー71)の最少ストローク記録、大会記録を更新する通算22アンダーで今季2勝目、通算13勝目を挙げた。初日から首位を守り抜く完全優勝で、3連覇を狙う次週の国内メジャー「JLPGAツアー選手権リコー杯」と、12月の米ツアー最終予選会に向けて弾みをつけた。 【写真】一家総出で女子ゴルフ界の頂点までたどり着いた山下美夢有。母・有貴さん、父・勝臣さんと 山下の強さは不変だ。自身4度目の完全Vで今季2勝目。23歳の勝負師はウイニングパットを沈めると、笑顔を見せた。 「残り試合が少ない中で2勝目を挙げられたことは、すごくうれしい」 4打リードの単独首位で出た最終日。8、11、12番でバーディーを奪った時点で2位と5打差の独走状態だったが、「今季は最終日に伸ばせず2位で終わることが多かった。それは絶対に嫌だ」と集中力を高めた。 15、17番で伸ばしてパー71の会場でツアー最少ストローク、大会記録を更新する通算22アンダー(これまではともに2022年大王製紙エリエールレディスの藤田さいきで21アンダー)をマーク。「(記録は)気づいたら更新していました」と白い歯を見せた。 ブレずに前を向き続けてつかんだ勝利だ。3位以上が年間女王への望みをつなぐ最低条件だった前週の「伊藤園レディス」は4位。最終日18番のボギーで、竹田麗央の年間女王が確定し、3季連続の戴冠を逃した。ただ「私もいいプレーをしたけど、(竹田が)さらにいいプレーをしたので仕方ない」と切り替え、母・有貴さんに「年間女王は無理だったけど、残り2試合も自分らしい結果で終わる」と伝えて、今大会に臨んでいた。 次週は3連覇が懸かる今季最終戦の「JLPGAツアー選手権リコー杯」。12月には初の米ツアー最終予選会が待っている。「メジャーで優勝するには、もっとレベルアップしないといけない。ゴルフ界を盛り上げられるように頑張りたい」。山下は一心不乱に高みを追求し続ける。(鈴木和希) ★弟は姉の優勝を刺激に 山下の弟・勝将(まさゆき、近大4年)が会場を訪れ、姉の優勝を見届けた。ツアー最少ストロークを更新したプレーに「大事なところでパットを決めていて強かった。スイングを見たりして勉強になった」と目を輝かせた。自身は8月のプロテストでトップ合格。26日から男子ツアーの来季出場権を懸けた3次予選会に挑む。「自分も頑張ろうと思いました」と気合を入れた。