「クルマは遅咲き」と謙遜するバイク好きのオーナーが、アウディS1とドゥカティ・モンスター821にたどり着くまでの青春ワインディングロード!
クルマもバイクも、代わりが見つからない特別な2台です!
クルマは高くて買えないから、と乗り始めたバイクにハマり、バイク7台、クルマ3台を乗り継いできた五月女 弘樹さん。やっとたどり着いたこの2台は、もう手放すことができません。 【写真34枚】やっぱり外車が好きというオーナーが愛情を注ぐアウディS1とドゥカティ・モンスター821の詳細画像を見る ◆どちらも2015年型のアウディS1とドゥカティ・モンスター821 「若者のクルマ離れ」も今は昔、最近になってクルマ好きの若者の数やその熱量は、再び盛り上がりを見せているように思う。そして、これがクルマではなくバイクという場合もあるけれど、クルマとバイクを同時に所有し、同じように愛する若者は決して多くはない。そういう意味で、五月女さんは特に熱心な乗り物好きの一人といえるのかもしれない。 30歳になったばかりの五月女 弘樹さんは、神奈川県に住む会社員で不動産会社に勤めている。今年に入って転職したばかりだが、以前は大手オートバイ販売店の営業だった。何を隠そう、私はその店の客として、五月女さんと出会ったのである。 五月女さんの今の愛車は、2015年型アウディS1と、同じく2015年型のドゥカティ・モンスター821だ。 「私、実はクルマ好きとしては遅咲きの方なんですよ。大学1年生の夏休みまでは、そこまで強い興味はありませんでしたから」 その転機は教習所に通っているときに訪れた。 「免許は迷わずMTにしました。そしたら、自分の両手、両足をフルに使ってクルマを操るのが本当に楽しい(笑)。でも残念なことに、当時はクルマを買って維持するのは到底ムリ。だけど、バイクなら何とかなるかもしれない! そこに、ちょうどバイク好きな友達が近くにいたのが大きかったです」 以来、バイク歴はアプリリア・トゥオーノ125から始まり、スズキSV1000S、ヤマハRZ250R、ドゥカティ999S、ヤマハTT250R、トライアンフ・デイトナ675……そして昨年7月に購入した、今のドゥカティ・モンスター821へと至る。 「はじめの頃は夜な夜な走りに行って、そのまま友達の家で晩酌して、の繰り返しでした(笑)。特に思い入れがあるのがトゥオーノ125で、2スト・エンジンが速かったです。でも本当によく壊れて、自分でeBayで部品を集めて直していました。これでバイクにのめり込んだなぁ」 その結果の7台目なのである。 「今の821はアップ・ポジションで姿勢が楽なのが気に入ってます。今までに比べればパワーも控えめだけど、もうそこまで速くなくて良いな、と思って。Vツイン・エンジンが好きなので、この独特なフィーリングを存分に味わえるのが、私にとってはちょうど良いんです!」 ◆パッケージに惚れ込んだ 一方クルマは、アウディS1が五月女さんにとって3台目の愛車である。5年前に初めて買ったクルマがダイハツ・エッセ、その1年後に、BMW傘下になって初のミニ・クーパーSに乗り換えた。これまでの愛車は、全てMTである。 「はじめは、とにかくMT車に乗りたい! それが第一で、縁あったエッセを安く買いました」 そのうちに、コンパクト・ハッチに興味を持つようになったという。 「ミニもSNSで調べたりして、多くのトラブルは自分でなんとかしてきましたよ。でもエアコンが壊れたときにお手上げ(笑)。そこで、同じくクルマも好きな職場の店長とクルマ談義しているうちに、S1が候補に上がったんです。でも中古とはいえ、それまでの2台とはケタが違う。結構、奮発しちゃいました」 S1は買ってからちょうど2年になる。ドゥカティは専ら趣味のための乗り物だが、S1は日常の足としても使っている。 「パッと見、そんなに速くなさそうなところが好きです(笑)。でもよく見たら、マフラーは4本出しで、ステアリング・ホイールもD型シェイプでちょっとやる気。あんまり多くのクルマに乗ったことは無いけれど、シフトの入りも気持ち良いです。足はもう少しカチッとしているのが好みなんですけどね」 撮影のためにクルマを動かすと、下の方からシャラシャラという音が聞こえてきた。 「クラッチが壊れたときに、純正より安かったのにも背中を押されて、オグラ製の強化クラッチ&フライホイールに替えたんです(笑)。ゆくゆくはエンジン・チューンもしてサーキットを走りたいな、と思っています。今年中には、富士の本コースを走ってみたいです」 S1の楽しみ方は尽きないようだ。 「2年乗ってみて、四駆のMTコンパクト・ハッチというパッケージに惚れ込みました。だからGRヤリスにはちょっと興味があるけれど、やっぱり“ガイシャ”が好きなんですよ(笑)。クルマもバイクも、代わりが見つからない特別な2台です!」 五月女さん、ぜひ4輪でも2輪でも、一緒に走りに行きましょう! 文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正 (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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