<高校野球>21世紀枠・平田、春夏通じ初舞台 中国8強「攻めの守備」 第92回選抜高校野球
いざ聖地へ――。兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3月19日に開幕する第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が24日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであり、平田(島根)の21世紀枠での出場が決まった。甲子園出場は春夏通じて初。昨秋の中国大会で8強入りした実績や、積極的な地域貢献活動などが評価された。組み合わせ抽選会は3月13日。【鈴木周】 【写真特集】歴代21世紀枠出場校 平田は2019年度秋季県大会で、立正大淞南や開星といった強豪との接戦を相次いで制し、準優勝した。中国大会1回戦では強豪ひしめく広島県大会で準優勝した尾道商相手に堅守を見せ、好機を得点につなげ勝利した。 エースの古川雅也投手(2年)は緩急を付けた制球力が武器。県大会では先発3試合を含む4試合に登板し、自責点はわずか1とチームの躍進を支えた。攻撃の中心は1番の保科陽太(ひなた)主将(2年)。昨秋の公式戦7試合の打率は3割4分6厘で、積極的な走塁も持ち味。中国大会2回戦の鳥取城北戦では内野安打と盗塁でチャンスを広げ、先制のホームを踏んだ。 守備面では相手打者の特徴に応じた陣形を敷き、守備からリズムを作る戦い方が浸透。植田悟監督は「合言葉の『攻めの守備』で強豪に挑みたい」と話す。 チームは3年前から、野球人口の増加を目指し幼稚園児や保育園児を対象にした野球教室を開催。部員はチラシを手作りし、園児たちに配布する。練習内容や道具をまとめた同校独自の体験会マニュアルは、中国地方の他校にも広がる。保科主将は「応援してくれる地元の方々のために、甲子園で勝って校歌を歌う」と意気込む。 ◇地域密着の学校づくり 1916年に平田農学校として創立された県立校。48年に普通科と農業科を置く平田高校となった。校訓は「自律・協同・創造」。主体的な姿勢と協調の精神で、新しい時代を切り開く人格の形成を目指す。平田商工会議所との協定による「地域課題解決学習」を導入し、地域密着の学校づくりにも取り組む。 野球部は51年創部で、甲子園出場は春夏通じて初めて。3人のマネジャーを含む部員数は22人。生徒数は464人(男子229人、女子235人、2019年5月1日現在)。野球部以外のクラブ活動も盛んで、陸上競技部や柔道部は全国大会の常連として知られる。 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、全31試合をライブ中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。デジタル紙面では出場決定号外も無料で配信します。