墓前祭で玉串をささげる参列者たち＝山室町の奥墓で

　三重県松阪市山室町の山室山観光協会（間柄孝文会長）は27日午後1時から、宣長の遺言により同町のちとせの森に設けられた国学者・本居宣長翁の奥墓（おくつき）で、墓前祭を執り行い、遺徳をしのんだ。 　宣長翁は1801（享和元）年11月5日に72歳で没した。墓前祭は長らく命日に催されていたが、現在は10月の第3日曜日と決めて行っている。コロナ下では規模を縮小したが、昨年から正常に戻している。 　この日は、地元自治会をはじめ、市教育委員会、本居宣長記念館、樹敬寺、松阪市観光協会ら関係者約25人が参列。一同、妙楽寺を出発し、勾配のきつい山道を歩いて墓前に到着した。墓前祭では花岡神社の奥出克尚宮司が祭主を務め、間柄会長（69）＝山室町＝を先頭に順次玉串を奉てんした。 　間柄会長は「地元住民はもとより、他地域の方を含めて会員を募集していきたい。命日の11月5日には皇學館大学の学生らに多数参拝いただく予定」とあいさつし、感謝に代えた。市教委は、市内の小学生が副読本で宣長の教えに触れること、またこの事業を継続していくことが報告された。