想像力が武器となる、Cocoro Softwareの魔法構築ローグライクTPS『Spell Fragments』【TGS2024】
自由自在に魔法を作り、友達と協力してダンジョン攻略。インディーデベロッパーCocoro Softwareが送る、魔法構築ローグライクTPS『Spell Fragments』がプレイアブルデモを初展示。 【関連画像】ブースでは試遊のために用意されたチュートリアルを経て、構築した魔法を使って体験版のダンジョンを攻略。ダンジョンの中で手に入れた呪文のかけらや装備品を活用し、時間内での体験版ダンジョンのクリアを目指そう! 東京ゲームショウ2024(TGS2024)のインディーコーナーで、試遊待ちの列が目立った魔法構築ローグライクTPS『Spell Fragments』(Steam)。発表からわずか3日でSteamのウィッシュリスト登録数が1万件を突破した注目のタイトルだ。 本作はプレーヤーが記憶を失った偉大な魔法使いとなり、ダンジョンで敵を倒しながら踏破を目指すローグライクTPS。敵を倒した際のドロップや宝箱から入手する3種類の「呪文の欠片」を組み合わせて魔法を作り上げるのがこのゲームの重要な鍵となる。 かけらは魔法の発動条件となる「トリガー」、魔法本体の効果となる「スペル」、魔法の性能を変化させる「オプション」の3種類。複数の要素を連鎖させて複雑で強力な魔法を実現することも可能で、その組み合わせは無限大だ。 「朝まで遊べるゲームを作りたかった」と語るのは、Cocoro Softwareの最高経営背委任者(CEO)西井裕介氏。詠唱時間は長くなるが、パワーが強化される、といったように効果を想定してかけらを組み合わせていく。その結果にはランダム要素も含まれるので、いわゆる運ゲーの部分もある。思い通りにいかない部分がもどかしくも楽しい。組み合わせによっては爆発するなど、失敗とも取れる結果になることもあるが、あえてバランス調整はしていないのがいい。 ダンジョンに挑戦して強力なアイテムを手に入れるハック&スラッシュやルーターシューターとしてのやり込み要素も盛りだくさん。遊ぶたびに内容が変化するローグライクならではのリプレイ性を兼ね備えたゲームでもある。 強力な魔法で敵と闘う爽快感はもちろんだが、何よりコツコツと魔法を作るのが楽し過ぎる! 素材を組み合わせて武器を錬成したり、レアなアイテムをちまちまとコンプリートしたりするのが好きな人ならきっと「気がつけば朝!」となりそうな予感。 ●次世代のゲーム業界を担う人材と認められたクリエーター ところで『Spell Fragments』は、公益財団法人日本ゲーム文化振興財団が若手ゲームクリエイターの創作活動に対して助成することを目的として制定した「ゲームクリエイター助成制度」の2023年度の対象作品でもある。 『Spell Fragments』が選ばれたポイントについて同財団の理事であるゲームアナリスト平林久和氏に話を伺った。「魔法のカケラをコツコツと集めて魔法を作り敵と戦うわけですが、いわば“ちまちま“と遊べるゲーム。派手さはないが、その独創性が光っていたことがあります。その前に、我々が選ぶのは、いわゆる”ゲーム大賞”ではないのです」と平林氏は強調する。 つまり、同財団はあくまで次世代のゲーム文化を担う若手ゲームクリエイターの創作活動を支援するのが本来である。ゲームが世に出るためには、売り上げを想定した資金調達に始まり、外注先やプラットホームの選定、流通まで、プロジェクトの全体像を見据えた事業計画が不可欠だ。『Spell Fragments』が選ばれたのは、ゲームの独創的な面白さとともに、西井氏にゲーム制作に必要なノウハウと資質、そして熱意がそろっていたことに他ならない。 「財団に応募したときは個人でしたが、イラストや音楽、3Dなど、自分が求める高いスキルを備えるクリエイターと協業するには、個人では難しいこともあったので法人化しました」 そのかいあって、キャラクターは西井氏がかねて熱望していたイラストレーターkuro氏がデザインを手がけ、キービジュアルもイラストレーターNeg氏による描き下ろしが実現した。リリース時期は未定だが、今後はストーリーやダンジョンなどの追加調整など、精度をさらに高めて準備を進めているとのこと。リリースが待ち遠しい。 (文・写真/永浜 敬子) なお、日経クロストレンドでは「東京ゲームショウ2024特設サイト」を公開中です。ぜひ、ご覧ください。 ・日経クロストレンド「東京ゲームショウ2024特設サイト」 https://xtrend.nikkei.com/sp/tgs/
永浜 敬子