世界経済・賃上げの動き見極め 利上げ見送り濃厚 18日から日銀会合
日銀は18日から2日間の日程で金融政策決定会合を開く。 日銀では、経済・物価動向は想定通りに推移しているものの、不透明感が強まる先行きの世界経済や来年春闘に向けた賃上げの動きを慎重に見極めるべきだとの見方が広がっている。このため、会合までに円相場が急落して輸入インフレが加速するような恐れがなければ、7月に続く利上げは見送る可能性が濃厚とみられる。 来年1月に就任するトランプ次期米大統領は関税の引き上げを主張している。これを受け、国内では輸出企業を中心に業績悪化への警戒感が強まっている。 日銀が13日に公表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)でも、先行きについては、企業規模や業種を問わず景況感が悪化する見通しとなっている。日銀内では、再利上げの環境が整ったとの意見も一部にはあるが、拙速な政策変更は避けるべきだとの見方に傾いている。 会合ではまた、過去25年間の金融政策を検証する「多角的レビュー」も取りまとめる。これまでの大規模緩和の効果や副作用を総括的に点検する予定だ。