トランプ「不倫口止め料裁判」がバイデン民主党陣営による「魔女狩り」だと言うしかないこれだけの理由
マンハッタン地区は民主党の強力な地盤
判事だけが偏っているのではなく、そもそも検事からして偏っている。 トランプの訴追のために動いたスーザン・ホフィンガー検事も大の民主党支持者で、前回の2020年の大統領選挙でバイデン陣営に500ドル寄付しただけでなく、「アクトブルー」という民主党の支持団体に900ドル以上を献金していたことがわかっている。 ● Manhattan prosecutor who questioned Stormy Daniels during Trump hush money trial donated to Biden’s 2020 campaign (New York Post, May 7, 2024) トランプ裁判に関わる検察側の人員として、マシュー・コランジェロ検事のことも見落とすわけにはいかない。 コランジェロはオバマ政権時に国家経済会議の副議長、労働省首席補佐官などを歴任し、トランプ政権期にはトランプ政権の政策に対する批判論文を数多く発表してきた。バイデン政権になると、再び司法省のナンバー3の重職に就いていた。2008年の大統領選挙では初当選を目指すオバマに400ドルを寄付し、2018年に民主党全国委員会から12000ドルをコンサルタント料として受け取っている。 こんな検事がトランプ捜査に深く関わっていたのだ。しかもこのコランジェロ検事についてはさらに怪しい話がある。 今回、トランプを訴追したのはマンハッタン地区検察だが、マンハッタン地区検察のトップであるアルビン・ブラグ検事長は、実はトランプの訴追はどうしても無理ではないかと諦めかけたことがあった。 この時、このブラグ検事長の姿勢に抗議して2人の検事が辞任しているが、そのあとで不思議な動きが起こった。バイデン司法省のナンバー3であるコランジェロが突如としてマンハッタン地区検察の上級顧問となったのである。 トランプ訴追のために動いていたブラグ検事長が弱気になったところに、バイデン司法省から大物のコランジェロがやってきて、今回の起訴へと動いたのだ。バイデン政権が政敵であるトランプを潰すために動いた政治的謀略の疑いが濃厚なのは言うまでもない。 ニューヨークはよく知られたブルー・ステイト(民主党が強い州)だ。マンハッタン地区は特に民主党支持に偏っており、陪審員が選ばれた地区は、前回の選挙で87%がバイデンに投票したという、強力な民主党の地盤だ。 裁判を公正なものにしようとするのであれば、まず裁判を行う管轄地域を変えるだろう。トランプ側は当然ながらこれを要求したが、認められなかった。 そもそも陪審員として選ばれた人たちにしても、仮にこの裁判に無理があると心のなかで思ったとしても、トランプを擁護するような主張をすれば、地元で暮らせなくなるくらいのダメージを負うことになりかねない。 通常の裁判では、判事は陪審員たちに、裁判で問われている罪名やその罪が法律でどう規定されているのかを説明し、中立的な立場に立って判断するように求めることを行う。 ところが、今回の裁判ではマーチャン判事は、トランプが問われている罪は大きく分けて書類の偽造、債務の詐欺、連邦選挙法違反の3種類があるが、どの罪を犯したかについて陪審員たちの中で意見の一致を見なくても、トランプが罪を犯したという見解を全員が持つなら、一致した意見としてトランプを有罪だと認定してよいという、法律専門家から大いに非難を浴びる説明を行った。 これはできる限りトランプを有罪にしたいという党派的な立場からなされたものであるのは明白だ。