「迷わずに着けるのか」 北陸新幹線・敦賀駅“乗り換え不便”で感じる精神的ストレスの数々! しかし、メリットもきちんとありました
延伸が生んだ分断
2024年3月16日、北陸新幹線が金沢駅から敦賀駅まで延伸された。これにより、これまで関西から金沢までは乗り換えなしで行けていたが、敦賀駅で在来線から新幹線に乗り換えなければならなくなった。 【画像】えっ…! これが60年前の「敦賀駅」です(計18枚) このことはインターネット上でも話題になり、歴史的に交流の深かった金沢と関西との交流が分断されるのではないかという懸念が示されている。 乗り換えによって「いろんな電車に乗れて楽しい」と考えているのは、筆者(島崎敢、心理学者)のような一部のマニアだけである。一般利用者にとって、乗り換えは面倒なものだ。 そこで今回は、乗り換えにともなって私たちはどのようなストレスを感じているのか、また、地域社会にとって乗り換えはどのような意味を持つのかを考えてみたい。
公共交通利用者の心理的負荷
多くの人にとって、乗り換えは避けたいものである。乗り換えのたびに、電車の発車時刻を気にしなければならないし、大きい荷物があれば、網棚への上げ下げも面倒だ。 乗り換え時間が短ければ早歩きで移動しなければならず、肉体的にも疲れを感じるだろう。さらに、電車の遅延が発生した場合、乗り継ぎに間に合わないことへの不安も高まる。小さい子どもを連れての乗り換えともなればなおさら大変だろう。 また、自由席利用者や通勤・通学時の乗り換えでは、座席を確保できるかどうかの不安もある。座っている人は立っている人よりも後から降りるので、混雑していれば次の電車では座れない可能性が高い。 また、立っている人は次の電車で座れるかもしれないが、ふたを開けてみなければわからない不確実性がある。自分の行動が次の移動の快適性に大きな影響を与えてしまう上に、不確実で競争性が認知される状況は、多くの人にとってストレスである。 さらに、初めて訪れる駅での乗り換えでは、駅構内の道順や所要時間がわからないので不安がつきまとう。 「迷わずに目的のホームへたどり着けるのか」 「乗り換え時間内に次の電車に乗れるのか」 「トイレに寄ったりビールを買ったりできるのか」 などを考えると不安になる。旅慣れていない人や公共交通機関をあまり利用しない人であればこの影響はさらに大きいだろう。