広陵のエース・髙尾響の投球術は高校生No.1!大人びたマウンド捌きも絶品だ
今センバツ屈指の好投手・髙尾響投手(広陵)が四国王者・高知相手に11奪三振、1失点で完投勝利を挙げた。マウンドで感情を見せずに、速球・変化球を自在に投げ分け、精密にコントロールする。その姿は大学生や社会人の投手を見ているようだった。 【貴重映像】髙尾響、平嶋桂知など22名の超高校級投手の中学時代を大公開! この試合の速球は最速145キロ、平均球速139.01キロとスピンのかかった高回転のストレートを両サイドにしっかりと投げ分けた。どのイニングでも出力が落ちたり、コントロールが乱れる様子はほとんどない。 正捕手の只石 貫太捕手(3年)は「試合前からインコースを投げて、ボールを散らせることを意識させました」とリードの意図を明かすが、思い通りの配球ができるのも高尾の速球、コントロールがあってこそ。冬場でも常にコーナーギリギリに投げ込む練習を続けてきた。 「オフだから肩を休める考えもありますが、自分は投げて技術を磨くタイプ」と高尾は胸を張る。 実際に140キロ中盤の速球を内角に投げ込んで詰まらせて内野ゴロに打ち取る場面も多かった。 変化球の精度も非常に高い。130キロ台のカットボールは手元で小さく曲がり、いつでもストライクが取れる。120キロ台のフォークでも三振で奪える。110キロ台のカーブも大きなアクセントになっており、高尾は「カーブでストライクを取れることで投球が楽になった」と話す。 投球フォームについてはリズムを変えた。今までは左足を上げてすぐ体重移動に入ったが、左足を上げるまでゆったりとした動きにしている。 「足を早く上げて、すぐ着地してしまうと、並進運動がうまくできず、そこでゆっくりと上げることを意識したら、自分の中で嵌りました。ストレートがだいぶ走るようになって、スライダーも切れました」(高尾) 左足の上げ方、踏み出す時の膝の使い方などは、メッツ・千賀滉大投手(蒲郡)と似ているところがある。 8回にミスで1点をとられたが、「三振を狙いに行った」とピンチの場面で三振、三邪飛に打ち取った。9回もギアを上げて、145キロのストレートで高知打線を抑え、完投勝利を収めた。 投球術の上手さ、安定感の高さは今年の高校生でもNO.1ではないか。身長172センチと投手としてあまり上背があるタイプではないので、高卒プロという声はあまりない。それでも、U-18代表に選ばれそうな実力はあり、大学に進んでも大エースの道を歩む可能性はある。 いずれにしても、数年後にNPBのユニフォームを着て投げている未来は想像できる。 まずはこのセンバツでどんな快投を見せるのか、楽しみだ。