世界各国で活躍する日本のビジネスパーソン〈3〉=アメリカ編=徹底的に顧客の悩みに寄り添う=ゼロから立ち上げて90億円企業に=b.glen創業社長=児玉 朗さん
―最近では「ChatGPT」との出会いもありますね。 「ChatGPT」からは、iPhone以上の衝撃を受けました。誰にとっても大逆転のチャンスです。肉体は弱っていくけれど、脳は「ChatGPT」の力を借りて進化していく。数年後にはもう追いつけないところまで行ってしまうのではないかと思いますが、使いこなせるようになっていなくてはなりません。 新しいテクノロジーとの出会いや時代の変化があった時、それに乗るか乗らないかは個人の選択で、「ChatGPT」を「使わない」という選択もあります。でもその選択肢は、使いこなせるようになってからでも選べます。「ChatGPT」が誕生した時、私の会社では1日7時間のセミナーを4~5日間実施し、社員に「とりあえず使っておくように」と繰り返し伝えました。 ―児玉さんの成功の秘訣とは? 基本的には「失敗には理由があるが、成功に理由はない」と考えています。ただ、インスピレーションを大切に行動するようにはしています。それは、コピー機のセールスマンだった時代に培った感覚かもしれません。営業には分かりやすい成功と失敗があるので、成功体験や失敗体験を重ねることで、どんな時に成功するかという感覚を体得したのだと思います。 私は、自分の人生に対して貪欲なので、成功しても「この辺でいいや」とは思いません。失敗して落ち込むこともほとんどありません。そんなのもったいないし、落ち込んでいる間にも新しいことを思いつき、行動してしまう性格です。でも、まずは自分が「行動させてもらえる環境」にあることが恵まれていると感謝しています。 ―今後はどのような展開を? ビジネスの一線で動けるのが、あと10年なのか30年なのかは分かりませんが、歳を重ねて「次の世代に何かを継承したい」と考えるようになりました。人生の先輩として自分のしてきたことを後輩たちに伝えたいというより、どちらかというと自分より一回りも二回りも若い世代の仲間に入れてもらい、同じ目線で何か新しいことをしたいというイメージです。 今、化粧品ビジネスである程度の成果を得ていますが、欲張ればまだまだ何かがあるのではないかとワクワクします。これからも「ChatGPT」のような新しいテクノロジーとの出会いや、若い世代との出会いがあるかもしれません。「ハッピーなモーメントを届ける」ことをモットーにしているので、そのツールが化粧品でなくても、誰かに別の形で届けることは続けていきたいです。