平井亜実「石川県出身として初優勝したい」 能登半島地震から3週間
1月1日午後4時10分に発生した能登半島地震から3週間が経った。最大震度7を観測し、地震の規模を示すマグニチュードは7.6。1995年の阪神・淡路大震災や2016年に起きた熊本地震のマグニチュード7.3を超える規模の災害となった。 【画像】33年ぶりの快挙を達成して雄たけびをあげた 現在、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の会員として登録されている石川県出身の女子プロゴルファーは、2人のティーチングプロを含め12人になる。そのうちの一人である野々市市出身の27歳、平井亜実は地震当時、日本を離れており、近くにいたほかの日本人の「石川、やばくない?」という声で故郷の非常事態を知った。 「思わず『えっ』てなって、携帯を見たらすごいことに…。知り合いからLINEがたくさん来ていて、『明けましておめでとう』よりも多かった。家族にも連絡したら、母の兄に連絡がつかないと言われて」。震度6強を観測した輪島市の門前町に住んでおり、その後は連絡が取れたものの「家はもう傾いて住めないって。結婚された娘さんが金沢にいるからそっちに避難したみたい」。建物はいつ倒壊が起きてもおかしくない状態だという。 大規模火災が起きた輪島市には75歳の祖母の家もある。しかし、「たまたまおばあちゃんはその日に検査入院で金沢の病院に行っていて。手術をするといっても膝のなんですけど。病気ではなくて、本当にたまたま」 「おばあちゃんの家は目の前が海で、輪島の奥の方。両サイドから土砂崩れが起きていて、迂回できる道もないぐらい小さな集落みたいなところだから、そこにいたら迎えにも行けていなかっただろうって。ヘリが1回入ったとは聞きましたけど家がどうなっているのか今もまだ全然確認できていないんです」 県から不要不急の移動を控えるようにという呼びかけもあり、状態を確認したくてもできない。ただ、家族は誰ひとり欠けることなく無事だったことに胸をなでおろした。
きっかけは世界一になった宮里藍
人口は約111万人の石川県。男子では川岸良兼が出身プロゴルファーとして名前が挙がるが、石川県生まれの女子ゴルファーでレギュラーツアー優勝者まだ誕生していない。 ジュニア時代からゴルフをするのも「珍しい」と言われる環境で、クラブを本格的に握り始めたのは10歳の時。父に付き添って練習場に行ったのがきっかけだ。「プロになる」と決意したのも早く、「ちょうど小学5年生のときに宮里藍さんが世界ランキング1位になられて、『日本人でも世界一になれるんや』って。藍さんはサバサバ、キリキリしていて格好いい。優しそうな感じもあるし」と憧れと同時に夢が膨らんだ。