「まるでランニングシューズ!」ドゥカティ・スクランブラーフルスロットルは気軽に出かけられて、スポーツだってOK
トラクションコントロールはもちろん搭載、ABSはバンク角応答式
足まわりや装備も頼もしいもので、フロントブレーキは330mmシングルディスクにブレンボ製ラジアルマウントキャリパー。これで効き方に注文をつける方はそう多くはいないでしょう。フロントだけでなく、245mmディスクのリヤブレーキともに十分なストッピングパワーがあり、フィーリングについてもスムーズなことこの上ありません。 また、バンク角を制御に生かす「コーナリングABS」が装備されているのは安全面でうれしいポイントですね。 スムーズといえば、スクランブラー・フルスロットルはアップ・ダウン両方に対応するクイックシフトシステムが標準装備されています(スタンダードグレードといえる「アイコン」ではオプション)。 この作動感もまたスムーズで、ペダル操作だけで精緻なシフトチェンジを決めてくれます。 とはいえ、クラッチレバーを握ってのシフトチェンジもバイクを操る醍醐味ではありますが、改良されたエンジンはクラッチプレートが8枚となり、レバーの操作感は柔らかくてじつに軽いタッチ。ゆえに、クラッチレバーを使っても、クイックシフトシステムを使っても、上質なライディングが楽しめること請け合いです。 ちなみに車名でもある「スクランブラー」とは、大昔、オンロードバイクをベースに悪路を走れるよう改造したバイク(のジャンル)に由来します。というわけで、ちょっとした未舗装路も走ってきましたが、セミブロックパターンのタイヤ、よく動くサスペンションのおかげで不安なく進め、十分な走破性があります。 スクランブラー・フルスロットルが装備するフラットトラックレーサーをイメージしたという幅広のハンドルがオフロード車のような感覚で、オフロードでスタンディングをしながら操るのにも向いています。 こうした場面では新たに装備されたトラクションコントロールがさりげなく介入し、わずかなサイドスリップにもきちんと補正がかかっていました。