池上彰が「国公立大学の無償化」を提言する理由 “Fラン”大学は「淘汰」されるが専門職大学は「増加」と予測
一方で今、専門学校が「専門職大学」としてどんどん大学化されています。服飾や美容など、専門学校で学ぶことをそのまま教えるのですが、卒業したら大学卒としての学位をあげるという学校です。 勉強が苦手であっても、美的センスがあったり手先が器用だったり、そうした長所を生かした専門職を目指す人たちに、学位を取るという選択肢が増えているのです。 Fラン大学で勉強もせず就きたい仕事も見つからず卒業する人が増えるよりも、専門職に就いて活躍する人が増えるほうが、社会にとってもいいはずです。今後も専門職大学は増えていくと思います。
また専門職大学に入る生徒にとっては、たとえば美容師になりたいと思って技術を学びつつ、大卒の肩書があればいざというときに全然違う仕事にも就きやすい、といったメリットがあります。 それと同時に専門学校側のメリットとしては、理事長の「大学の理事長になりたい」という憧れを叶えることができるというわけです。 東京にいるとなかなかわかりませんが、特に地方の専門学校の理事長が、4年制の専門職大学、あるいは2年制の専門職短期大学への転換に熱心です。
池上 彰 :ジャーナリスト