若者は本当に映画を観ないのか? 若年層から爆発的人気を誇る“縦型ショートドラマ”、作り手に訊く成功のワケ【前編】
若者は本当に映画を観ないのか?
―――こねこフィルムの作品は、TikTokをはじめ、YouTubeショートやInstagram、Xなど、さまざまなSNSで公開されています。メインの視聴者層は、大体何歳くらいでしょうか。 和比古「プラットフォームごとに異なりますが、大体共通するのは30代男性ですね。細かく言うと、TikTokとInstagramは20代後半から30代、YouTubeの場合は40代~50代がメインです。Xは、拡散するので、いろいろな方に観て頂けています」 ―――こねこフィルムの作品で、ターニングポイントとなった作品はありますか。 和比古「2024年1月に公開した『年齢確認』ですね。コンビニにやって来たマダム(赤間麻里子)が店員(半田周平)から年齢確認を求められて突っぱねるという内容が人気になって、累計2億回以上の再生回数を達成しました。それから、一気に知名度が上がった感がありますね。 あと、性別も、ローンチ当初は男性:女性が8:2くらいの印象だったんですが、『年齢確認』以降女性が増えて、現在は6:4くらいの割合になっています」 ―――SNSで映画を発信することに不安はありましたか? 和比古「正直ありましたね。ただ、最近若者がどんどん映画を観なくなっている、ってよく言われますけど、本当なのかな、とずっと思っていました。で、いざ蓋を開けてみると、若い世代を中心に多くの方にご覧いただいていて、胸をなでおろしています」 ―――SNSで動画をアップする場合、ある程度アルゴリズムをハックする必要があると思いますが、そのあたりの工夫はありますか。 龍一「ツカミは意識していますが、正直、工夫はあまりしていないですね。他のチームが作った縦型ショートドラマもあまり観ないですし。なので、僕としては、やりたいことを思いっきりやったら、自然と結果がついてきたのかな、と」 ―――それは理想的ですね。 龍一「そうですね。ただ、先行投資がかさんで、やっぱりはじめのうちは毎月赤字でした。ここ数カ月でようやく軌道に乗ってきた形ですね」