「実体経済を反映した株価ではない」 支払われる給与は増加の一方で…使えるお金は減少 暮らしは良くなるの?
CBCテレビ
あまり実感ないという人もいるかもしれませんが、株の値上がりが続いています。日経平均株価は4万円超え、これで私たちの暮らしは良くなるんでしょうか。 【写真を見る】「実体経済を反映した株価ではない」 支払われる給与は増加の一方で…使えるお金は減少 暮らしは良くなるの? 先月、バブル絶頂期の値段を約34年ぶりに更新したばかりの日経平均株価。4日はさらにその金額を上回り、バブル期でも超えることができなかった4万円の大台を突破、史上最高値を更新しました。名古屋の証券会社は… (岡地証券 森裕恭 調査情報室長) 「いつかは4万円を超えるだろうという声は以前からあったんですが、ようやくこの日が来たかというのが我々の実感」 証券会社では、株高を受けた「投資熱」がかつてないほど高まっているといいます。 (岡地証券 森裕恭 調査情報室長) 「いままで株をやったことのない人からも、『新NISAやった方がいいの』『ちょっと教えてもらえないか』という言葉をかけられることも度々ある」 特に、ことし新制度が始まった少額投資非課税制度「NISA」への関心は高く、その波は名古屋・栄の書店にも。 「丸善」では、目立つ場所にNISAの特設コーナーを設置。株価同様、関連書籍の売上も右肩上がりだといいます。 (丸善 名古屋本店 藤堂恒平 副店長 「出版社も出せば売れるという確信があって作っている」 一方で、街の人からはこんな声も…。 「(好景気の)実感はない。(バブルと比べると)いまみたいに沈んではいない。前の方が元気があったかもしれない」 「貯金が楽」 株価は経済を映す鏡。この株価の勢いが、物価と賃金の好循環につながるかどうかが今後の焦点となります。 ■使えるお金は減っているのに…「実体経済を反映した株価ではない」 では、我々の暮らしは楽になっているのか。 実際に支払われている給与「名目賃金」とそこから物価変動分を差し引いた「実質賃金」、使えるお金の増減率。2021年以降に注目すると、給料は前の年を上回っている一方で「実質賃金」の使えるお金は、2023年はマイナス2.5%と減少しています。
つまり、物価上昇に賃金の上昇が追いついていないのが現状で、生活は物価高で楽にはなっていません。 こうした現状を専門家はどう見ているのか。中部圏社会経済研究所の難波了一研究部長は「国内総生産・GDPもマイナス成長が続いている。実体経済を反映した株価ではない」と話しています。 GDPの6割は個人消費ですが、物価高で消費が伸びていないのが現状で、難波さんも“景気は足踏み状態”と言っています。これから春闘ですが、景気実感のカギは「賃金アップ」と言えそうです。
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