アストン マーティンDB12へ試乗(1) 意味深い「大フェイスリフト」 高級感はベントレーに迫る
ベントレーに迫るインテリアの高級感
大きなタッチモニターの下側には、エアコンなどの操作用に、実際に押せるハードボタンが沢山並んでいる。デジタルとアナログのインターフェイスが混在している景色は、最新感という点では及ばないかもしれないが、アストン マーティンの判断は賢明だ。 内装の素材は、インフォテインメント・システム以上に進化した。その高級感たるや、フェラーリを凌駕し、ベントレーにも迫っている。 エンジンスタート・ボタンの周囲には、ドライブモードを選ぶ触感の良いダイヤルが備わる。ヒーターやオーディオのローラースイッチも含めて、細部まで上質。高級な腕時計のような雰囲気が漂う。 車内空間は充分に広い。小物入れなどが各所に設けられ、リアシートも実用に耐える。2+2の範囲を超えないが、中学生くらいまでの子供なら、快適に座って自動車旅行に出かけられるだろう。 フロントシート側はゆったり。助手席のパートナーと、不自然に近い位置で過ごすことはない。センターコンソールは低く、うっかり肘をぶつけることもなかった。 さて、実際にグレートブリテン島の一般道へ出てみよう。2750rpmという低い回転域から、81.4kg-mものトルクを生み出すため、公道ではエンジンの主張は控えめ。聴覚的な刺激も穏やかなようだ。 この続きは、アストン マーティンDB12へ試乗(2)にて。
マーク・ティショー(執筆) 中嶋健治(翻訳)