手術ミスで執刀医を在宅起訴 業務上過失傷害罪、赤穂市民病院
兵庫県赤穂市の赤穂市民病院で2020年、女性患者の神経を誤って切断し後遺障害を負わせたとして、神戸地検姫路支部は27日、業務上過失傷害罪で手術を担当した松井宏樹医師(46)=依願退職=を在宅起訴した。 起訴状などによると松井被告は20年1月、女性の腰椎を削る手術で十分な止血を怠り、部位が出血で見えづらい状態でドリルを操作。硬膜を損傷して脊髄神経も切断し、全治不能の障害を負わせたとしている。女性は下半身に重いまひが残り、ぼうこう直腸障害も負った。 県警が今年7月、書類送検。地検姫路支部は手術助手だった男性医師(60)は不起訴とした。 松井被告は19年に同病院の脳神経外科医に採用。約半年間に関わった手術で8件の医療事故が起きていたことが後に判明した。このうち院内調査などで医療過誤と認定された女性が昨年告訴していた。 県警は別の患者の医療事故報告書に虚偽記載したとして有印公文書偽造・同行使容疑でも両医師らを書類送検したが、同支部は不起訴とした。