津軽の水道料金、25年後は5929円→24620円に? “ポツンと暮らす”代償は? 全国平均も1.5倍に 課題山積の水道事業 解決策は?
食品・電気・ガスなどの値上げが相次いでいる中、水道料金が全国平均で25年以内に1.5倍になるとの試算が発表された。 【映像】わかりやすい! 水道料金の決まり方のイラスト その理由と今後の見通しなどについてテレビ朝日社会部の冨田和裕記者に聞いた。 ━━そもそも、水道料金はどのように決まっているのか? 「水道を家庭などで使うためには、水源から水を引っ張り、浄水場などできれいにし、家庭まで引っ張る設備が必要。それら施設の維持管理費などが基本料として取られており、たくさん使う人はその分、水をくみ上げるポンプの動力や薬剤などの分も量に応じて払う仕組みだ。実は水道代は水源からの距離や河川等の水質、坂の多さなどで水道管の布設状況など、各事業体によって条件が異なり、かかる経費がそれぞれ違うので原則として市町村ごとに料金収入で経費を賄う独立採算制がとられている。 ━━水道料金について、25年以内にほぼすべての自治体(96%)で平均約5割の値上げが必要という試算が出されたとのことだが、誰がどのような前提条件でまとめたのか? 「世界4大会計事務所の一つであるコンサル会社『EY Japan』と水問題のシンクタンク『水の安全保障戦略機構事務局』の共同研究だ。詳しいシミュレーション数式は非開示とのことだが、国からの補助金が無くなり、人口と共に使用量が減る一方でメンテナンス費が増え、さらには節水機能に優れた製品開発なども加味・仮定したうえでシミュレーションしたという。また、最近話題となっている物価の高騰は全く考慮されていないため、それを考慮すればもっと値上げされる可能性もある」 「値上げ額は『25年後までにトントンの経営をするために、一度だけ、一度で賄える額を値上げするとしたら』という額だ。例えば、5年後に値上げして、その後10年値上げ分で黒字が続き、最後の10年は赤字経営になる、というものだ」 ━━地域によってどれくらい水道料金は異なり、値上げ額も変わってくるのか? 「日本列島を北からみていくと、夕張市6966円→14889円(114%UP)、札幌市3652円→4374円(20%UP)、津軽広域水道企業団5929円→24620円(315%UP)などが挙げられる。反対にあまり上がらない地域については、東京都2475円→3125円(26%UP)、金沢市2497円→3558円(43%UP)、大津市2772円→3138円(13%UP)、兵庫県の赤穂市869円→1582円(82%UP)、長崎市4515円→6347円(41%UP)となっている」 「北海道は広大な面積の上に、山が多く、人口密度が低いために1人当たりの水道料金が高くなる。津軽は水道管が張り巡らされている上に人口密度が低いため、将来的に大きな値上げが予想されている。対して琵琶湖がある大津は水源が近いため安く抑えられている」