どんなサンタナ、オスナオスナの大騒ぎ【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第112回
サンタナ選手とオスナ選手は、なぜ日本に来たのか。メジャーには「ルール5ドラフト」という制度があって、簡単に言えば「マイナーリーグの選手を対象にした現役ドラフト」なのですが、チームが有望な若手をプロテクトするために、年齢が上の選手を放出することがあります。ふたりはメジャーでも実績がある選手だったのですが、そういった事情もあって活躍の場を日本に移したのでした。 「オスナ、村上、サンタナ」と続くヤクルトのクリーンナップは脅威以外の何物でもありませんが、なぜオスナ選手とサンタナ選手は日本野球にこれほどフィットしたのでしょう。ファン目線からの憶測でしかありませんが、ふたりが同時に来日したことも大きいのではないでしょうか。 個人的には「陽気なサンタナ選手」「真面目なオスナ選手」というイメージがあるのですが、ふたり仲良くスターバックスのカップを手に、神宮球場に向かって歩く姿を何度か見かけたことがあります。とても仲がよさそうに談笑していたのが印象的でした。気が合う仲間がいたからこそ日本でも不便がなく、切磋琢磨しながらすばらしい成績を残していると考えると納得がいくのです。 ヤクルトが、こんな"優良助っ人"を同時に獲得できたことは奇跡としか言いようがありません。来日当時のふたりの推定年俸は8000万~1億円ほどとリーズナブルで、それでいてどんな試合でも全力を尽くすふたりには、今日も足を向けて寝ることができませんね。 来日4年目のシーズンを送るふたりは、すでにヤクルト史に残る偉大な助っ人です。今の願いは、1年でも長くヤクルトで活躍してもらうこと。考えたくもありませんが、日本で活躍できることがわかったふたりを"お金持ち球団"に持っていかれないように、今日もヤクルトを飲んで、小さな応援を続けたいと思っています。 みなさんの好きな助っ人外国人選手も教えてくださいね。それでは。 ★山本萩子(やまもと・しゅうこ)1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン 構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作