内山昂輝、声優の“てっぺん”を取るのは「声質と努力を続ける人」 映画への想いも語る
内山昂輝が印象に残ったギャング映画は?
ーー最後に、今回リアルサウンド映画部では初取材ということで、本作で重要な役割を果たす“てっぺん”という言葉にちなんで、映画が好きな内山さんに現時点でのオールタイムベストをお聞きしたいです。 内山:うーん、1本に絞るのは難しいかもしれません。ただ、中学生の頃にポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』を初めて観て衝撃を受けて、そこからポン・ジュノ監督がアカデミー賞までたどり着くのを見届けたことを思うと……やっぱり『殺人の追憶』は思い出深い作品です。他の監督でいえば、ウェス・アンダーソン監督の作品も好きですね。とはいえ、最近の『アステロイド・シティ』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は自分には刺さらなかった。もしかしたら、好みが変わってきた可能性も否めないのですが、自分でも不思議です。 ーー邦画のヤンキー映画や、あるいは洋画でのギャング映画に絞った場合はどうでしょう? 内山:2022年に公開50周年を記念した『ゴッドファーザー』の4K版のパッケージが出て、1と2を久々に家で観て、めちゃくちゃ面白かったんです。あの時代にしか生まれないものなのかもしれないと思えるほど、画作りから全てが贅沢といいますか……。オープニングの有名な真っ暗なところから顔が浮かんできて、ボナセーラの「アメリカはいい国です」のセリフで始まるところからすでに良い。ラストに至るまで、全部にうっとりしてしまうような画の力を感じました。そうしたものが4Kまでたどり着くなんて、いい時代ですよね。リバイバル上映も増えていますし、過去の名作がどんどん4K化されていることに、ありがたさを感じています。 ーーさらにドルビー環境でも、色々な作品が観られるようになりましたよね。 内山:そうですね。15年前頃から、フィルムからデジタル上映に変わってきたことを思い出すと、本当に最初の方はもっと映像がぼやっとしていた気がします。IMAXの進化も同じ。2009年の『アバター』を観たときの上映環境から、IMAXレーザー、そしてグランドシネマサンシャイン 池袋のIMAXまでたどり着いたことを思うと、「映画ってまだまだ進化するんだな」と思います。次世代のIMAXフィルムカメラが作られる話もありますし、それでまたいい映画を撮ってもらえたら、嬉しいですよね。
すなくじら