岩田剛典、『虎に翼』“法に生きた男”を演じ終えて 「武骨さも含めて、花岡は“武士”だった」
座長・伊藤沙莉は作品を「包み込んでくれている」
――念願の朝ドラ出演とのことですが、実際に現場に参加してみていかがでしたか? 岩田:撮影前に毎週リハーサルがある、というのは他の局にないことなので、そこは大きな違いだなと思いました。あとは、セットで撮影するときにカメラの台数が多いですね。お芝居は、ほぼ本番一発でどんどん進んでいってしまうので、撮影が早い組だなと思いました。 ――新鮮な感じ? 岩田:新鮮というか、助かるなっていう(笑)。リハのことは噂には聞いていましたけど、立ち稽古をする感じなんです。なので、舞台稽古をやってから当日を迎えて、そこから段取り、テスト、本番という流れで。普通の連ドラよりも1個工程が多いので、すごく丁寧に作られているんだなと思いました。 ――最後に、座長である伊藤さんへエールをお願いします。 岩田:本当に立派な座長さんだと思いますし、沙莉ちゃんは心身ともに強いんです。度胸というか、「何なんだよ、この人!」というくらいにパワフルな女優さんなので(笑)、今回共演できてすごく嬉しかったですし、もちろんまた機会があれば別の作品でもご一緒できたら嬉しいなと思います。かつ仕事の魅力だけではなくて、彼女自身のフランクな性格だったりも、“作品の血”として通っている部分が大きいかなと思いますね。彼女がこの作品を作ってくれて、包み込んでくれている。すごく好きな作品でした。 ――花岡として、寅子に自身の思いを引き継いでほしい、といった願いはありますか? 岩田:いや、武士なのでないですよ(笑)。それがきっと、花岡の美学なんだと僕は勝手に解釈しています。一緒に学生時代を過ごした思い出がありますから、残されたものの宿命というか、辛さは寅子も含めて同級生のみなさんにあったかなと思います。でも僕は、そこに何かを背負わせる、という思いで演技はしていなかったですね。 (文=石井達也)
石井達也