事故が多い年齢層は中高生? 大人と一緒に自転車のルールの確認を
20歳未満、とくに中高生が?
警視庁の発表によると、2022年度の自転車が関わる死亡重傷交通事故件数は、2013年度に比べて3割も減少しています。しかし、自転車に限らない全交通故件数が約4割減少していることから、その割合はけして大きくはない言えるでしょう。むしろ全事故件数に占める自転車事故の割合は、横ばいから微増となっています。 【画像】自転車通学を画像で見る(9枚)
さらに都内だけの数値を追ってみると、全交通事故件数に占める自転車関連事故の割合は、2018年の36.1%から年々増加し、2023年には46.3%とほぼ半分に近い状況になっています。これらの数値から、自転車による交通事故は重要視されるべき問題だと言えるでしょう。 次に、年齢層別の自転車乗用中死傷者数を見ると、自転車の安全利用促進委員会が2021年に作成した資料によると、人口10万人あたりの死傷者数は15~19歳が213人で、10~14歳は87.1人、20~24歳は75.8人、その他の年齢層はそれ以下となっており、20歳未満が突出して多いことが分かります。 事故原因を見ると、法令違反が多いという事実が見えてくるそうです。前方不注意などの安全運転義務違反のほか、信号無視や一時不停止などが挙げられます。 自転車関連事故は圧倒的に対クルマの事故が多いのですが、とくに本格的な交通ルールを学ぶ機会が乏しい中高生には「自転車=車両(の中の軽車両)」という認識が薄いのではないか、と考えられます。 それよりも下の年代である小学生の場合、学校でのマナー教室や啓発パンフレットの配布などがあります。そして自転車は原則として車道を通ることとされていますが、13歳未満はそれに該当せず(歩行者優先は同じ)、また大人と一緒に走行するケースも多いでしょう。いわば社会から守られている存在です。 大人になれば運転免許取得時に交通ルールを学ぶ機会があり、社会のルールを守らなければならないという責任感も生まれてくることでしょう。 そういった中で、あまり交通ルールを学ぶ機会が少ない中高生の事故率が高いというのはうなずける気がします。それに小学生と比べて夜間走行の機会が増えることも一因になっているのではないでしょうか。 このような状況から子供たちを守るために、周りの大人はしっかりと指導していく必要があります。まずは、基本的なことですが信号を守ることや交差点での一時停止、自転車が走っても良い場所などを再確認しましょう。通学路などよく使う道を一緒に走る機会を設けて、どこを走行するのかを確認すれば、より安心できるのではないでしょうか。人通りの多い横断歩道では、自転車から降りて押して渡るといったマナーも伝えられると良いでしょう。 ほか、気を付けべきルールは以下のようこともあります。 ・ライトを点灯する時間 ・ヘルメットの着用(努力義務) ・周囲の音が聞こえない状態で走行しない(イヤホンで大音量で音楽を聴くなど) ・傘をさしたまま自転車に乗らない 大人にとっては当たり前のことでも、中高生にとっては知っているようでじつは知らなった、なんてこともあるかもしれません。大変な目に遭う前に自転車のルールやマナーについて、一緒に見直してみると良いかもしれません。
IGA(キャプテン自転車部)